「偉大な祖父」へのコンプレックスが安倍首相を改革に走らせる?

 保守政治家を自任する安倍晋三首相(59)の改革熱が止まらない。なぜそんなに生き急ぐのか――。

 改革をぶち上げすぎたためか、「首相は本当に保守なのか」という論争も生まれている。「文藝春秋」は今年の6月号で「安倍総理の『保守』を問う」の特集記事を組み話題となった。政治評論家の屋山太郎氏は、こう説明する。

「吉田茂など軽軍備、経済重視の保守本流から見れば安倍首相は『保守傍流』でしょう。だが以前より成長しました。憲法96条問題が世論を喚起しないとすぐ引いた。今後は安倍首相が保守の『主流』になるはずです」

 しかし首相の保守を問う声は身内からも上がる。自民党参院議員の西田昌司氏は12年の総裁選で安倍氏を推薦した一人。にもかかわらず「首相が保守政治家なのかという疑問は、ある意味では当然だと思います」と率直に語る。

「私は安倍首相の『戦後レジームからの脱却』に賛成です。昔から現憲法は占領基本法であり、無効と訴えてきました。だからこそ、今のように集団的自衛権を憲法解釈で乗り切ろうとすることに一抹の不安を抱いています。むしろ現憲法の問題の本質を論じる機運が遠ざかってしまう危険性を感じているからです」

 西田氏は首相に「岸家という家名の重み」を痛感するという。安倍首相の母方の祖父は岸信介元首相だ。

「『首相になることを義務づけられた』政治家の使命感は桁が違う。私のように原理原則で改憲を主張すると政治が前に進まないかもしれない。安倍首相は柔軟な対応をしているのでしょうが、少なくとも経済政策などで問題があるのは事実です。今後も、正々堂々と諫言(かんげん)します」

「偉大な祖父」へのコンプレックスか、はたまた1次政権の失敗のトラウマか。それらがない交ぜになってこその改革の原動力なのかもしれない。

週刊朝日  2014年6月27日号より抜粋

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