1999年から日本代表にユニホームを提供しているアディダスジャパン社。現代表にいたるまで長い期間にわたって、チームの成長をサポートしてきた。

 しかし、来年3月末の契約満了後、別のメーカーがユニホームを手がける可能性があるという。

「今年の4月末、アディダスが持っていた優先交渉権の期限が切れました。その時点で日本サッカー協会(JFA)は、アディダスも含めて、複数のメーカーとサプライヤー契約の交渉をはじめたと聞いています。当初、ナイキやプーマの名前があがっていたほか、一部ではユニクロの参戦も噂されました」(スポーツ紙サッカー担当記者)

 JFAとオフィシャルサプライヤー契約を結んだメーカーは、チームに用具を提供する代わりに、ユニホームなどの公式グッズの販売権を得る。日本代表のユニホームはワールドカップのたびに数十万枚が売れるというから、利益は莫大だ。

「アディダスはJFAと07年からの8年間で160億円もの契約を結びましたが、宣伝効果を含めれば、それを上回る利益が見込めるということ」(同)

 ユニホーム争奪戦の行方はどうなるのか。デジタルサッカー誌「the WORLD」ディレクターの飯塚健司氏に見解を聞いた。

「JFAは義理を大切にする団体。まだJリーグが始まる前、代表の遠征費用を分割払いにしてもらっていた西鉄旅行を今でも厚遇しているように、結局はこれまでどおりアディダスに決まるのではないでしょうか」

 とはいえ現在、さまざまな臆測が飛び交っている。

 JFAに近いサッカー関係者は、「JFAの職員にはナイキの元社員がいる。両者はいい関係を保っています。ナイキは日本での影響力を高めたいと思っており、可能性はある」と言う。

 ユニクロは03年からJFA主催の児童向けのイベントに協賛をしており、会場でユニホームを無償配布してきた。CMに本田圭佑を起用するなどサッカーへの関心は高いが、本誌の取材には、「回答することはありません」とのこと。

 前出のスポーツ紙サッカー担当記者は、「アディダス以外ではプーマに可能性が残されているようだ」とも語った。

 JFAは本誌の取材に、「交渉中です」とだけ回答。ワールドカップの開催中、ユニホームについて“サプライズ”な発表があるかもしれない。

週刊朝日  2014年6月20日号