「決して多いわけではありませんが、きちんと取り組むと薬がいらなくなるケースがあることは事実です」

 ささえるクリニック岩見沢(北海道)院長の村上智彦医師は、減量の重要性を指摘する。

「肥満に伴って高血圧になった場合は、“体重を3キロ減らすと上の血圧は8mmHg下がる”と言われています。適正体重に戻すのが理想ですが、そこまで至らなくても減量は大事なのです。私が診ている患者さんのなかにも、減量で血圧が下がり、薬をやめた方がいます」

 東京都健康長寿医療センター顧問で臨床研究適正評価教育機構理事長の桑島巌医師は、「血圧の薬をやめられた患者さん? たくさんいるよ」ときっぱり。

「薬は一生飲まなければならないというのは、誤った考え方。例えば、夏と冬だと平均の血圧が10mmHgぐらい違う。暖かい時期に減塩したり、減量したりすれば、血圧はどんどん下がる。それで試しに薬をやめてみると、その後も上がらないことが少なくないのです」(桑島医師)

週刊朝日  2014年6月13日号