増税反対デモ (c)朝日新聞社 @@写禁
増税反対デモ (c)朝日新聞社 @@写禁

 財布からお金がどんどんなくなっていく。4月に実施された消費増税は序の口だ。住民税や相続税、厚生年金保険料などの負担増は今後も相次ぐ見通し。今後の“負担ラッシュ”をみてみると政府は「チリもつもれば山となる」方式で、少しずつお金を取ろうとしている。

 9月からは厚生年金保険料率は0.354%引き上げられる。年が明けた2015年1月には所得税の最高税率が上がり、相続税の基礎控除は縮小する。

 そして、やはり衝撃が大きいのは、2015年10月にさらに10%引き上げられる予定の消費税だ。

 消費税5%のときに比べ、年収500万~550万円世帯で11万7千円、700万~750万円世帯で15万5千円も負担増になるのだ。10万円以上のお金が知らず知らずのうちになくなってしまうのだ。

 さらに、子育て世帯にとって負担になるのは、政府が検討している「配偶者控除」の排除・縮小だ。配偶者控除とは、妻の収入が年103万円以下なら、夫の所得から38万円が控除され課税所得が軽くなる制度。廃止・縮小されると、小さな子どもがいてフルタイムで働けない専業主婦家庭にとっては、家計は厳しくなる。

 具体的に我々の家計にどれくらい影響があるのか。

 消費増税、配偶者控除の廃止などの影響を考え、年収別にシミュレーションしてみた。

 たとえば、家族4人の専業主婦家庭で中学生以下の子どもが2人いる場合、年収500万円で年間の負担は約30万円となった。年収700万円で約40万円だ。

「近年、子育て世代に適用されていた『年少扶養控除』も廃止されました。そこに消費増税と配偶者控除の廃止が追い打ちをかけることになれば、負担はかなり大きい」(経済ジャーナリストの荻原博子氏)

 前述した住民税、相続税などのこまごまとした負担増と合わせれば、生活は決して楽ではなくなる。

週刊朝日  2014年6月13日号より抜粋