次の「嫁ぎ先」を山形県にしたかったゆかりタン (c)朝日新聞社 @@写禁
次の「嫁ぎ先」を山形県にしたかったゆかりタン (c)朝日新聞社 @@写禁

 参院自民党の“お騒がせ議員”として知られる佐藤ゆかり氏(52)。欲しがっていた衆院山形3区のいすを巡り、自民党山形県連と大バトルを繰り広げた。

「山形3区は加藤紘一元幹事長の落選・引退で、支部長が空白となっています。県連は4月30日に公募することを決めたのですが、『参院議員が応募する場合は、辞職してから』という条件をつけました。これに3区へのくら替えを狙っていたゆかり議員はカンカン。記者会見まで開き、『不当な制約だ』とぶちまけたのです」(現地ジャーナリスト)

 ゆかり議員といえば頻繁な“国替え”で知られる。2005年衆院選では埼玉県内の出馬を検討したが、岐阜1区から出て比例当選。09年衆院選は岐阜の公認争いに敗れ、東京5区から出て落選。10年参院選では全国比例で当選した。そもそも参院の任期は2 年以上も残っているのに、なぜ衆院山形3区を狙ったのか。

「参院より衆院のほうが注目度が高く、重要ポストの枠も多いので戻りたいのでしょう。1年前から3区に目をつけていました。お祭りなどの地域行事にわざわざ東京から駆けつけ、『私は元経産政務官で経済のプロ』『祖父の出身地の新庄市に里帰りしたい』とアピールしているようです。そんな下心見え見えの行動に県連はカンカン。山形から追い出せ、3区を渡すな!との声が高まっていました」(自民党中堅議員)

 県連は党本部の石破茂幹事長らと対応を協議。党規則にのっとり、「参院議員の応募は辞職してから」との条件を発表したという。つまり「不当な制約」ではなく、ゆかり議員の激怒は筋違いだった。

 窮地に追い込まれたゆかり議員。辞職してまで国替えを目指すのか。5月8日、党本部で直撃すると、

「その件はノーコメントです。ノーコメントです。話してもマスコミは正確に伝えないじゃないですか!」

 と逆ギレされてしまった。結局、10日になって山形での後援会の会合で出馬断念を表明。ゆかりタンはどこへ行くのか。

週刊朝日  2014年5月23日号