日頃から、体力維持のためにジムなどでトレーニングを行っている人は多いかもしれない。しかし筋力アップに欠かせないのは、筋トレによる運動だけではない。筋肉をつくるもととなる栄養をしっかりとらなければ、筋肉が減ってしまうおそれもある。

 筋肉のおおもとは、たんぱく質だ。50、60代の男性が1日にとりたいたんぱく質の量は60グラム。少ない印象があるが、たんぱく質は脂肪分の少ない赤身肉でも20%ぐらいしか含まれていない。1日分を補うためには、赤身のステーキで250グラム、木綿豆腐なら3丁とる必要がある。

「理想は食品からとることですが、毎日続けるのは大変。足りないときは、栄養補助食品などを利用してもよいでしょう」(千葉県柏市の名戸ケ谷病院院長で整形外科医の大江隆史医師)

 たんぱく質の分解や合成を促すビタミンB6を一緒にとると、効果的だ。マグロの赤身やカツオ、赤ピーマンなどに含まれている。大江医師は、骨の栄養もとったほうがいいとアドバイスする。

 骨はカルシウムとたんぱく質からできている。50、60代の男性のカルシウムの推奨量が700ミリグラム、50、60代の女性が650ミリグラム。700ミリグラムは、ふつうの牛乳ならコップ3杯強、木綿豆腐なら2丁だ。カルシウムやビタミンDを強化した乳飲料などをうまく利用したい。

 カルシウムの吸収を促進するビタミンDも必要だ。鮭やキノコ類に含まれるほか、日光浴によって皮膚でもつくられる。日に焼けたくないという女性は、とくに食事で補おう。

週刊朝日  2014年5月9・16日号より抜粋