(1)肉は最初に強火で周囲を焼き固めてから火を通す


(2)野菜炒めは強火で作らないとベチャッとする
(3)一晩置いた煮物はおいしくなる
(4)煮物の決め手はていねいにとっただし
(5)ホワイトソースを作るときに冷たい牛乳を入れるとダマになる
(6)揚げ物は低温から揚げるとベタつく
(7)低温調理ができるル・クルーゼなどは料理上手の必需品
(8)切ったとき断面から水分がにじみ出る野菜が新鮮

ガーン! これらがすべて「思い込み」とは。水島さんが正解を教えてくれた。

(1)肉は最初から最後まで弱火~弱めの中火で焼き、中まで火を通す。最初に出てきた  アクだけを拭き取り、そのまま加熱すればチキンソテーは皮までパリッと仕上がる。シチューも、牛肉に中まで火を通してから煮込めば決してスカスカにならない。

(2)家庭のコンロの火は、フライパンに対して実は「強すぎ」。五徳が低くてフライパンの底がすぐ高温になるから。強い火力で中華鍋をあおる技術がない人は、野菜炒めも終始弱火で作るのが正解。

(3)一晩置いておいしくなるのは「煮汁」のほう。具材に調味料の味はしみても、うまみは抜けてしまう。

(4)だしとは「+α」で素材の味をいかすもの。低温からゆっくり調理して肉や野菜を加熱すれば素材のうまみが引き出されるので、これで十分。カツオの味がわかるほどだしを入れた煮物は、ただの「カツオ煮」に過ぎない。

(5)ホワイトソースはバターと小麦粉を70度前後で合わせるのが何より大事。そこから弱火でサラサラになるまでグルテン分子を切れば、冷たい牛乳を一気に入れても絶対ダマにならない。

(6)とんかつもポテトフライも冷たい油に入れてからゆっくりと油温を上げ、途中で数分休ませて余熱で火を通し、最後に高温で二度揚げするのがベスト。

(7)低温調理よりも「低速調理」が大切。普通の安い鍋とフライパンでも「弱火」にすれば同じ効果がある。

(8)包丁で切った野菜の断面から水分がにじみ出るのは、単に細胞を押しつぶしているから。正しく切れば100均の包丁でも水分は出ない。上から垂直に押し切りせず、包丁をまな板に対して30度の角度で素材を切り込むこと。そうすれば細胞をつぶさず、玉ネギを切っても涙は出ない。トマトも種ごと角切りにできる。

週刊朝日  2014年4月25日号より抜粋