悲願の初優勝に向けてカギを握る「セレ女」たち (c)朝日新聞社 @@写禁
悲願の初優勝に向けてカギを握る「セレ女」たち (c)朝日新聞社 @@写禁

 サッカーJ1のセレッソ大阪のファンに“異変”が起きている。

「セレッソの練習グラウンドは10代から20代のかわいい女の子たちであふれていますよ。練習場に行くバスも女の子たちで貸し切り状態。多い日は100人以上集まることもあります。カメラを持った子やプレゼントを抱えた子もいて、まるでジャニーズタレントのファンのようです」(スポーツ紙サッカー担当記者)

 セレッソ大阪の熱烈な女性ファンたち――通称「セレ女」が、昨年から急増しているのだ。最近では、試合だけではなく練習グラウンドにも大挙して駆けつけ、黄色い声を飛ばしているという。

 もともと、セレッソ大阪には山口蛍(23)や扇原貴宏(22)、杉本健勇(21)といったイケメン選手が多いと評判だった。そこに、日本代表FWの柿谷曜一朗(24)が加わったことで、女性人気が爆発。Jリーグの調査によると、セレッソ大阪の女性ファンの割合は、12年には33.8%だったが昨シーズンは38.7%に増加した。年齢別でも、11~29歳のファンの割合が12年の22.2%から27.5%にまで増えた。

 だが、単にイケメン選手をそろえるだけでは、女性をファンとして定着させるのは難しい。「セレ女」急増の背景には、クラブのこんな戦略があったという。

「彼らがすごいのは、AKB48並みの細やかなファン対応をすることです。セレッソ大阪はチーム教育も徹底していてファン対応にも手を抜かない。握手やサインはもちろん、写真だって気さくに応じてくれます。人気の柿谷も、日本代表に選ばれて注目されてからも態度は変わらないですからね」(同)

 毎週練習を見に行くという「セレ女」の一人は選手たちの魅力をこう話す。

「柿谷選手のサインをもらおうとしたとき、ペンがないことに気付いたんです。それでも、柿谷選手はスタッフさんにペンを借りて、笑顔でサインをしてくれました。こういう優しさにファンは魅了されるんですよ」

 セレッソ大阪の広報担当者も喜々として「セレ女」効果を話す。

「クラブとしても女性向けのグッズを開発したりしています。確かに、グッズ会を開くと、若い女性の姿が多くみられますね」

 今年こそ、と海外からも選手を補強して優勝を狙うセレッソ大阪。「セレ女」たちが歓喜できるシーズンとなるか。

(本誌取材班)

週刊朝日  2014年4月25日号