リーマンショック以降、就職に強い理系人気が高まっているが、なかでも医学部を目指す学生が依然として多く、その人気は東大をしのぐほどだ。実際に、今年の国公立大医学科合格者の多いトップ30高校をみると、東大合格者のほうが多いのは、灘(兵庫)、桜蔭(東京)、海城(東京)だけ。トップ校の医学部シフトの一端が見てとれる。

 また、2005年の国公立大医学科合格者数は上位21校の合計が973人で、今年の上位21校の合格者数は1190人。国公立大医学部の定員増もあるが、トップ校の合格者数合計は200人以上も増え、医学部熱を感じさせる。

 今年のランキング1位は東海(愛知)で、昨年より13人増の114人が合格した。7年連続トップを含め、この10年で8回トップと圧倒的な強さだ。

「もともと医師の子弟が多く、医学部志向が強かったのですが、『医学部に強い高校』と認識されるようになってからは、中1の入学者や保護者の多くが医学部を意識しているようです。浪人をしても医学部に行くという決意で切磋琢磨していることが進学実績につながっているのではないかと思います。学校としては特に医学部を意識した指導はしていません。むしろ、さまざまな職業に関心を持たせたいと考えています」と内藤俊一(としかず)学習指導部長。

 02年からは愛知県と名古屋市の後援のもと、市民公開講座「サタデープログラム」を生徒が主催している。年2回開講で、今年2月は自然科学、人文・社会、芸能・音楽など50講座、昨年6月の講座では、同校OBで東進ハイスクール講師の林修氏を招いた。

週刊朝日  2014年4月25日号より抜粋