「責任野党」でも、代表は無責任!? (c)朝日新聞社 @@写禁
「責任野党」でも、代表は無責任!? (c)朝日新聞社 @@写禁

 8億円借り入れ問題で、みんなの党の渡辺喜美代表がついに辞任を表明した。

「党の支持者や議員、関係者に迷惑をかけた」と謝罪したものの、借り入れの残額、5億5千万円を4月7日までに完済したと説明し、「違法な点はない」と強調した。みんなの党議員が言う。

「5日に浅尾(慶一郎)幹事長が電話した時、渡辺さんは会うのを拒否したそうです。それで近く両院議員総会を開き、多数決で渡辺さんを解任しようと、若手議員らが動いていた矢先、本人が永田町に現れ、辞めました」

 外堀はすでに埋められていた。

「今、気仙沼市議選(13日投開票)の真っ最中ですが、渡辺代表のポスターを貼れば、破られる。選挙カーを使うと拒否反応を示されるので、倉庫にしまい込みました。うちの党の旗を立てて街頭演説したら、『手、買ったのか』と野次られる始末。渡辺さんでは選挙をもう戦えない。公認辞退者、離党者が続出していました」(前出の幹部)

 党内からも代表辞任論が噴出。同党最高顧問の江口克彦参院議員が口火を切って4月4日には同党の佐藤正夫衆院議員ら2人が国会内で会見を開き、代表辞任を訴えていた。みんなの党は11日にも両院議員総会を開き、代表選を行う予定だ。

 本誌が入手した同党の内部調査資料には次のような記載があった。

≪ポイント 借り受けた趣旨は、国政選挙を控えて、みんなの党が躍進するための党の政治活動(選挙運動を含む)及び、代表個人の議員活動に伴う支出にあてるためである≫

 だが、前出の幹部が言う。

「党の調査で、DHC会長に借りた8億円のうち、約5億円は渡辺さんが党に貸し付けたり、返済した記載が残っていた。でも、残り約3億円は使途不明のまま。だが、これで幕引きとなるでしょうね」

 昨年末、みんなの党を飛び出した小野次郎・結いの党幹事長が言う。

「渡辺代表は長年、みんなの党の金庫を一人で握り、公私の区別がつかなくなっていたのではないか。(議員1人当たり年間780万円もらえる)立法事務費、約2億8千万円を所属議員にほとんど分配せず、使途不明のままです。今こそ、全てを公にすべき」

 真相が明らかになる日は、来るのだろうか。

(渡辺代表辞任のため、週刊朝日2014年4月18日号の記事を一部書き換えました)

週刊朝日  2014年4月18日号