東大よりハーバードに進む高校生が増加中 その理由は「将来への不安」 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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東大よりハーバードに進む高校生が増加中 その理由は「将来への不安」

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アメリカのハーバード (c)朝日新聞社 

アメリカのハーバード (c)朝日新聞社 

 国内に、「海外トップ大進学塾」が存在することをご存じだろうか。教育サービス業のベネッセコーポレーションは2008年、ハーバードやイエールなど海外の有名大学への進学を希望する高校生をサポートする海外トップ大進学塾として「RouteH」を開校している。

 アルファベットの「H」はハーバードなど海外トップ大の象徴だという。同社の高校事業部、藤井雅徳氏が言う。

「近年、高校生が海外トップ大学に進学する動きが顕在化してきました。ならば教育産業の一員として、弊社もサポートすべきではないかと考えたのが開校の理由です」

 少子高齢化や財政赤字が進む日本では、受験生たちの将来への不安が増しているという。

「国内では医学部が人気ですが、これも高齢化社会が到来するため、医師のニーズが高いと見なされているからでしょう。対して他の学部では、例えばロースクールなどを筆頭に、将来が保証されないのではないか、という不安は増す一方です」(藤井氏)

 ならば日本ではなく海外の有名大学に進学し、グローバルな人材となって世界で活躍しよう――そう考える高校生や保護者が増えているようだ。

 RouteHで学んで海外の大学に進学した高校生の一覧を見てみると、20人の卒業生のうち19人が海外大学に合格。ハーバード、イエール、マサチューセッツ工科大、オックスフォードといった英米の有名・名門大学がずらりと並んでいる。

 詳しく見れば、さらに興味深いことに気づく。

 実は海外の大学を専願するのではなく、日本の大学と併願した高校生は珍しくない。卒業生19人中7人、4割近くが東大や早慶といった国内の難関大学にも合格していた。その上で、ハーバードやイエールといった海外の大学を選んでいるのだ。

 また、「海外進学を考えたきっかけ」を見ると、いわゆる“帰国子女”もいるものの、多くは日本生まれ日本育ちの高校生で、留学や周囲の人の影響で海外の大学に憧れを抱き、その夢をかなえたということがわかる。つまりハーバードなどの海外大学が、東大や京大と同じように、ごく自然な「進学先」のひとつとして考えられているわけだ。

 では、国内の大学受験と海外の受験では、なにが違うのだろうか。藤井氏は、日本とアメリカの大学入試対策は正反対だと指摘する。

「日本の大学入試は勉強のため、趣味や部活動など自分のやりたいことを我慢しなければならない傾向があります。ところがアメリカの名門大はアカデミックな学力だけでなく、明確な志望動機や、人間のオリジナリティーも問うてきます。全人格的な課題ですから、自分のやりたいことを全うしなければ、むしろ合格の可能性は下がるんです」

 もちろん、海外トップ大学に入るには難易度も高い。大学研究家の山内太地氏は、こう話す。

「多くの高校生にとってネックになるのは、やはり英語力でしょう。日本の中学、高校で習う英語だけでは、どうしても足りません。最近ではマレーシアにあるイギリスの名門校に子供が小学生のころから通わせる保護者もいるほどです」

週刊朝日  2014年4月18日号


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