スポーツ選手にとってケガや故障ほどつらいものはない。プロゴルファーの丸山茂樹氏も闘い続けている。
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ロサンゼルスの自宅での生活も2カ月半になります。まもなく日本に戻るんですけど、いま、僕の頭の中は、悶々(もんもん)としちゃってます。春先なのに暗い出だしですみません。
実は3週間以上、クラブを振ってないんです。左手親指付け根の慢性亜脱臼に苦しんできたわけですけど、正月にこっちへ来て、少し親指の状態がよくなったんです。それでうれしくなって、結構打ちこんじゃったんですね。そしたら1月下旬ぐらいから調子が悪くなってきたんですね。悪いことに、左肩も痛めてしまって、2月にこっちの病院に行ったら、「相当悪い」って言われて。
それで、勧められた治療法を試してみることにしたんです。何でも開発されて2年ぐらいの治療らしいんですけど、骨髄液を取り出して、遠心分離機にかけて、また注入する。アメリカのスポーツ選手がよくやってるらしいんですけどね。
6、7週間ぐらいで効果が出始めるらしいんですけど、いまは3週間ぐらいで痛みもあるし、本当によくなるのか、不安になってしまいます。結構体を張って、いろんな治療にトライしてるんですけどね。明るい兆しが見えないというか、先のことを聞かれると、ほんと困っちゃう状態なんです。いまは。
自分の頭の中の目標としては、去年同様、5試合ぐらい出場できたらと思ってるんです。でも球を打てるようにならないと、何も考えられないですね。ほんと先の見えない、出口の分からないトンネルの中にいるような状況です。
まあ、いまはゴルフの神様が「我慢しろ」って言ってる時期なのかもしれない。徹底的にいろんなことに挑戦してね。とりあえず僕としては、残された道は少なくても、できる限りのトライはしていこうと思います。とりあえずは日本に戻ったら、主治医の方と相談しながら、どうしたら少しでもいい状態に持っていけるかを考えたいです。
体はこんな状態ですけど、あちこちから「マルちゃんの話を聞きたい」なんていうお話もたくさんいただきます。男子ツアー開幕戦の「東建ホームメイトカップ」(4月17~20日、三重・東建多度カントリークラブ・名古屋)を始め、テレビ解説のお仕事もいただいてます。自分を必要としてくれるところもいっぱいあるので、それを心の支えにしながら頑張っていければ、と思ってます。
もう、こうなったらプラス思考で考えていかないと、寂しくなっちゃいますからね。僕はこのままでは終わりません。みなさんには、それだけは約束します!
※週刊朝日 2014年4月4日号