徳川宗家現当主 「旧大名家の子孫が多い学習院の歴史授業は難しい」 (2/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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徳川宗家現当主 「旧大名家の子孫が多い学習院の歴史授業は難しい」

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週刊朝日#歴史


 旧華族の生徒が多かったので、歴史の授業は難しかったようです。なにしろ島津さん、毛利さんの隣に、徳川さんや松平さんが座ってますから。母の話では、鎖国をした徳川の政治が悪かった、という話が授業であったときに、母の妹が教室の隅でシクシクと泣きだしたそうです。日本史の先生も大変だったと思います。

 大学在学中に家正が亡くなって家督を継ぎ、卒業して日本郵船に入りました。生活のために民間の会社で働いた初めての当主になりますね。会社では、加賀前田家の当主と同じ部署だったこともあります。

 海外での仕事も多く、ニューヨークには、全部で6年間赴任しました。当時、アメリカでは「将軍SHOGUN」というテレビドラマが大ヒット。その後は大変でしたよ。「お前が本物のSHOGUNか?」と言って斬りかかる真似などをされて迷惑いたしました。

 日本クラブのパーティーで、あるアメリカ人の学者の方からこんなことを言われたこともあります。

「260年もの間、戦争もなく国を治めて、あれだけの文化を育てた政権というのは、歴史上ほとんどない」

 徳川がいかに偉大だったか、ということを懇々と説かれました。徳川の世は封建的で悪い時代だった、と私は習ってきた。鎖国をしていたことが、日本が世界へ出て発展することを遅らせた元凶である、と。だから、アメリカ人の先生からそういうことを言われて、非常に印象深かったですね。

 会社で特別扱いはありませんが、1年に2回、家の行事で休みました。家康公の命日、4月17日の久能山東照宮と翌5月17日の日光東照宮での例祭です。

 久能山も日光も、どちらも石段をずーっと行かないとお墓にたどり着かない。衣冠束帯を身に着けて石段を登るのは、とても難しいんですよ。それに、ここ1、2年は、体力的にだいぶつらくなってきました。早く後を継いでもらいたいのですが、長男には嫌がられています。

週刊朝日  2014年3月28日号


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