「ぞうさん」作詞家のまど・みちおさん “宇宙人”の視点とは? 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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「ぞうさん」作詞家のまど・みちおさん “宇宙人”の視点とは?

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まど・みちお1909年11月16日、山口県都濃郡徳山町(現・周南市)で生まれる。本名は石田道雄(いしだ・みちお)。10歳のころに台湾へ渡り、34年、台湾総督府の道路港湾課で働いていた時代に雑誌の童謡募集で特選に選ばれ、本格的に詩や童謡の投稿を行う。43年、召集によってマニラを皮切りに各地を転戦し、シンガポールで終戦を迎える。戦後は日本に戻り、48年、婦人画報社(現・ハースト婦人画報社)に入社して雑誌「チャイルドブック」の創刊にたずさわる。59年からフリーで、詩・童謡・絵画に専念。68年、野間児童文芸賞、2003年、日本芸術院賞などを受賞。92年には、皇后美智子さまの選・英訳による『THE ANIMALS「どうぶつたち」』が日本と米国で出版された (c)朝日新聞社 

まど・みちお
1909年11月16日、山口県都濃郡徳山町(現・周南市)で生まれる。本名は石田道雄(いしだ・みちお)。10歳のころに台湾へ渡り、34年、台湾総督府の道路港湾課で働いていた時代に雑誌の童謡募集で特選に選ばれ、本格的に詩や童謡の投稿を行う。43年、召集によってマニラを皮切りに各地を転戦し、シンガポールで終戦を迎える。戦後は日本に戻り、48年、婦人画報社(現・ハースト婦人画報社)に入社して雑誌「チャイルドブック」の創刊にたずさわる。59年からフリーで、詩・童謡・絵画に専念。68年、野間児童文芸賞、2003年、日本芸術院賞などを受賞。92年には、皇后美智子さまの選・英訳による『THE ANIMALS「どうぶつたち」』が日本と米国で出版された (c)朝日新聞社 

ぼくがここに

まどみちお著

978-4924684706

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ぞうのミミカキ

Philippe Vidalenc原著/まどみちお著/写真:フィリップ・ヴィダレン

978-4652071625

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 童謡「ぞうさん」や「一ねんせいになったら」などで知られる、詩人のまど・みちお(本名・石田道雄)さんが2月28日、老衰により東京都稲城市の病院で亡くなった。童謡や合唱曲、絵本、詩集などさまざまなジャンルで2千編以上もの詩を残し、日本中で愛された偉大な詩人は、104歳で逝った。

 親交があった山口・周南市美術博物館の館長、有田順一さんが思い出を振り返る。

「9歳のころに見た徳山湾の夕日を、『真っ赤ですごく奇麗だった』とおっしゃったことが印象に残っています。遠い昔の出来事を昨日のように語る姿を見て、子供のころの感受性を持ち続けている方だと思いました」

 まどさんは5歳から9歳の間、生活のために父母と兄妹が台湾へ移住してしまい、祖父母のもとに一人で残された経験がある。

「寂しく過ごした子供のころに、自然への鋭い観察力が育まれたと言われています。生き物の視点に立った詩から、勇気をもらいました」(有田さん)

「ぞうさん」には、「ぞうさん おはながながいのね そうよ かあさんもながいのよ」という一節がある。ここからは、「鼻の長さを卑下する必要はない。象は象として生きているから喜びがある」(前出の有田さん)といった、まどさんの生き物への温かなまなざしをくみとることができる。

 長男の石田京(たかし)さんが家庭でのエピソードを語る。

「口で語るタイプではなく、態度で優しさを伝えてくれた父でした。勉強をしていると、夜中の2時や3時になっても、私が寝るまで黙って起きているんです。励ましだったのでしょう」

 まどさんはつねに大きなスケールの視点で物事を見ていた。編集者として、『ぼくがここに』(童話屋)や『ぞうのミミカキ』(理論社)などの作品を担当した、市河紀子さんは語る。

「ふるさとについて、『自分たちは日本人ではなく、もっと言えば地球人でもなく、宇宙人なのです。だから、生まれくるところと死んでいくところは同じです』とおっしゃっていました。東京で亡くなられましたが、このたび、ふるさとに帰られたのだと思います」

 前出の有田さんは、「まどさんは、『地球上のすべての存在は、動物から石ころまで、みなつながっていて、“ともにあるもの”だ』という視点を持っていたと思います。時空を超えた宇宙観は、その延長上につながっているものです」と解説する。

『宇宙のうた まど・みちお詩集(6)』(かど創房)などの本には、まどさんの宇宙観がまとめられている。

 まどさんは2008年の暮れに体調を崩して、入院を始めた。09年の秋、100歳になる直前、こう語った。

「強いものも弱いものも、地球上にはありうるのです。たったひとり、自分ひとりで、人間は生きているわけではありません」

 その優しさとスケールの大きさに感動する人がいるかぎり、まどさんの詩は歌われ、読まれ続けるだろう。

週刊朝日  2014年3月14日号


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