ライブドア元社長の堀江貴文氏が、新雑誌を企画している。さまざまな思惑はあるが、付録を考えれば、雑誌の価格は10万円でも勝算があると言う。

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 オープンしたばかりの「ホリエモンドットコム」だが、対談コーナーの「WITH」が大好評だ。たくさんの人たちにツイッターでつぶやいてもらったり、フェイスブックのいいね!をもらったりしている。

 第1弾は青色LEDを開発したカリフォルニア大学サンタバーバラ校教授の中村修二さん。そして第2弾は、metaps(メタップス)の佐藤航陽さん。スマホアプリのリワード広告システムから、今立ち上げ中の「spike」というクレジットカード手数料も無料にしてしまう革新的なサービスのこと、そして通貨の未来についてまで語ってもらった。

 私が取材される側として感じていたのは、インタビューする人のクオリティーであり、幅広い知識を基に対談相手が思わず身を乗り出すような話の持っていき方をする人があまりにも少ないということなのである。

 だからこそ対談コンテンツの良さをもっと生かしたいと考えている。けれど、ウェブサイトだけの掲載で、しかも私の個人メディア(オウンドメディアという)だと、やはり歴史と伝統、ブランド価値もないので、対談相手のなかにはオファーを受けてくれない人も少なくない。これまでの人脈でなんとかなっているが、これから世界の素晴らしい技術者や経営者などの忙しい人たちにインタビューするとなれば、雑誌という伝統あるフォーマット、そして週刊朝日のようなブランド価値を利用しない手はない。

 実際、私は彼らに何年も前からオウンドメディアを既存マスコミがバックアップするという形でのビジネス展開を提案していた。彼らの資金力や編集能力にITの知識が合体すれば、非常に競争力のあるメディアができると思ったからだ。そこに紙媒体という信頼を付与して、書店をブランディング&宣伝スペースとして考えると面白いアイデアが生まれてくるのではないかとの仮説を立ててみた。

 まずは付録について考えてみた。宝島社がファッション誌などで成功したことを皮切りに業界全体に広がっているビジネスモデルだ。例えば、対談相手がテクノロジー系の人であったら、格安でつけられるガジェット系の付録を考えている。もちろん、それはこれまでに前例のないような種類の未来を感じられるガジェットである。また、高額の付録付きバージョンも面白い。

 現物をつけるのではなくてネットで購入できるクーポン付きの雑誌という手もある。通常、千円前後の雑誌が10万円とかするというだけで結構な話題になるのではないか。書店も単価の高い商品を販売することによって得られる手数料を考えると積極的に売ってくれる可能性が出てくる。

 リアルな雑誌を利用する場合、書店を経由することならではのライブ体験を作らなければならない。サイン会などのライブ体験イベントは昔ながらのものであるが、今風の“何か”を見つけたい。現在、思案中だ。対談相手も週刊朝日のブランドを最大限利用して超ビッグネームにもオファーを出す予定である。乞うご期待。

週刊朝日 2014年2月28日号