昨年デビュー50周年を迎えた、タレントの西川きよしさん。半世紀のタレント人生を支えてきたのが、妻でありタレントの西川ヘレンさんだ。

きよし:これだけ長く続けてこれたのも、笑わそうとしてきたからではなく、プロになりきれないもうひとりの僕が、日常の中で笑いを見つけて、笑いって楽しいね、という気持ちを持ち続けてきたからだと思うんです。

ヘレン:一緒になったとき、頑張ればきっとむくわれますよ、お仕事もたくさんいただけるでしょう、と言ってきましたけど、その通りになりましたね。

きよし:僕は、ヘレンのマインドコントロールに200%はまりました。

 ふたりはともに18歳で出会い、すぐに恋仲になって同棲。当時、ヘレンさんは吉本新喜劇の看板女優だったから、「スターと駆け出しの芸人が結婚など、とんでもない」と大反対される。それを押し切って結婚したのは1967年9月、夫21歳、妻20歳のとき。「結婚するなら、きよしが仕事をやめろ」と周囲から言われたが、ヘレンさんがすっぱり芸能界を退き、きよしさんを支える。

きよし:頑張れば大丈夫と言われても、内心は不安でいっぱい。ふたりで食べていかれる芸人になれれば十分だと思っていました。子どもができてからも、人並みの生活ができて、中古の車でも持てればという、そこそこの夢や希望だった。そんな僕を、ヘレンは上手にコントロールしましたね。GIのジョッキーみたいなもんや。いつの間にか天皇賞や有馬記念を戦える馬になっていた(笑)。ヘレンならではのアメとムチが効いたんですわ。

週刊朝日 2014年2月28日号