紅白 大島優子とサブちゃんの“卒業かぶり”は残念? 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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紅白 大島優子とサブちゃんの“卒業かぶり”は残念?

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 演出家の河原雅彦氏が、日本一遅く(?)昨年のNHK紅白歌合戦を総評する。

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 昨年もこの時期、遅ればせながらの俺的紅白歌合戦評を書いた記憶がある。なので、今年も大変遅ればせながら、敬称略丸出しで好き勝手に語っていくでおじゃる。

 今回ね、悪くなかったですよ個人的に。いつになく軸が明確だったので久々に序盤から落ち着いて入っていけたというか。軸のひとつは、大ヒットを記録した朝の連続ドラマ『あまちゃん』。もうひとつは、『御大・北島サブちゃん最後の花道』。NHKが生んだ財産とも言えるこの二本柱を前面に出すことで、例年になく“地に足がついた感”が大きかった気がします。

 紅白という歌謡ショーベースの構成にドラマの世界観を持ち込む仕掛けは、一つ間違うと大変リスキーな試みと言えますが、個人的には、あまちゃん独特のアットホーム感をドラマ未見の方々にも伝えられ、加えて、ドラマの登場人物という設定を利用し、紅白の舞台にキョンキョン(25年ぶり)&薬師丸ひろ子(初出場!)をリレー形式で登場させる快挙を成し遂げたナイス・トライだったと感心する次第。紅白には安心感とともにサプライズも絶対不可欠ですから。いやはや、とっても楽しかった。

 ただね、サブちゃんの場合は、やはり大島優子(AKB48)の“後だし卒業かぶり”に水を差された感は否めないかも。あの瞬間、「えっ、このタイミングで!?」って、日本中がTVの前で固まったのではなかろうか。半世紀にわたり番組を支え続けてきた偉大な功労者の『卒業』と、現時点で国民的アイドルとはいえ、いち個人のグループからの『卒業』は、紅白という場においてその意味合いが大きく違うはず。あくまで『卒業』というフレーズは、サブちゃん一人に特化すべきだったのではないか……その方がより感動的なフィナーレになったのではないか……と思う次第。彼女の卒業発表を承諾したNHKには疑問を感じましたね。誰も得していない感じ、ハンパなかったスから。

 次に、あまりのド緊張っぷりに、見てるこっちまでハラハラし通しだった綾瀬はるか嬢の初司会ぶり。愛らしい天然キャラクターが功を奏し、好意的な意見も多かったが、やはり一分一秒の段取りに追われる国民的番組の進行役としては、ねぇ? 彼女一人だけの責任でもないが、間延びしたテンポの積み重ねで、哀れ、鉄拳のネタコーナーは全カット。曲のタイトルコールが上手くハマらず、見る側も演る側も肩すかしをくらった場面もいくつか。魅力的な個性であることに一切疑いはないので、綾瀬嬢には是非リベンジの機会を与えていただきたい!と胸一杯の期待を込めて思う次第。

 あと、言いたいこともやりたいこともよぉく分かるよ、泉谷さん。けど、いかんせん過剰過ぎた。せっかくの意義あるメッセージも、泉谷節を頑に押し通すことでかえって伝わりづらくなってしまっては本末転倒ではないか。『春夏秋冬』という名曲の力を信じて、ただただ真摯に歌うだけでその思いは十分届けられたんじゃないか……。そこいくとやっぱ美輪さんスゲーや……としみじみ思った次第。「狙いはいいのに……」と惜しい部分も多々あれど、それも含めて紅白の醍醐味。来年もまた遅ればせながらのタイミングで無責任に語らせてくんちぇー!

週刊朝日  2014年2月21日号


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