写真はイメージ (c)朝日新聞社 @@写禁
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 不妊の原因は、卵子の問題ばかりではなく、精子の老化などが影響していることが近年わかってきた。このことは、婚活事情にも影響を与えているという。

 女性は40歳を超えると、妊娠が難しくなる。このことが周知されて、婚活の現場は激変している。中高年をメーンに結婚相談を行う仲人士の村上れ以子さんはこう話す。

「自分はいくつになっても子どもをつくれる、と思っている男性は多く、40代以降の男性も20代、30代の女性に申し込みます。妊娠・出産を目標に婚活する40代女性は少なくありませんが、彼女たちの置かれている状況は楽ではないです」

 このいびつな現状は、今後、大きく変化していくかもしれない。大手結婚相談所に登録している男女の比率(2013年現在)を年齢別に見ると、男女のボリュームゾーンにはズレがある。

 女性は35~39歳(30.5%)が最も多く、30~34歳(22.2%)と続く。40~44歳は20.8%、45~49歳では8.3%まで減少する。男性は40~44歳(26.4%)、35~39歳(23.3%)が中心だが、45~49歳も16.5%いて、50代以降も女性に比べて数字が高い。

「女性が求める結婚条件の1位は『気が合う』で、2位は『将来の安定』です。安定の要素には“健康”が含まれています。出産を考えている女性にとって、男性の年齢は大切なポイント。女性のニーズは、自分の年齢に近い男性で、30代後半以降は年上より年下を求めています。定年までの時間を計算しつつ、本能的に“生殖能力”の高い男性を選んでいるのかもしれません」

 年収などに魅力的な条件がない中高年男性が20代、30代の女性と結ばれるのは容易ではないという。精子の老化が広く知られるようになれば、この傾向はさらに顕著になるだろう。

「年齢などの問題で出産が厳しいなら、子どもを持たない人生も選択肢です。子孫を残すことだけが、結婚の喜びではないのですから」

週刊朝日  2014年2月21日号