早くも始まった花粉症 (c)朝日新聞社 @@写禁
早くも始まった花粉症 (c)朝日新聞社 @@写禁

 独自の気象観測を実施するウェザーニューズ社(本社・千葉)によると、1月24日には東京都内にある60カ所の観測地点の3割で、26日には9割で、花粉飛散量(個数)が敏感な人なら症状が出始めるレベル(10個)に達したという。一般的に広まっている花粉や花粉症に関する疑問について、まとめてみた。

Q:花粉症は遺伝する?

 花粉症は、遺伝(体質)的な要因と、環境要因で発症する。両親が花粉症なら、その子どもは花粉症になる体質は受け継いでいる。花粉を浴びないように気を付けるなど、発症前から環境を整えることで、発症を遅らせることは可能だ。

Q:市販の点鼻薬を使いすぎるとダメ?

 市販の点鼻薬には血管収縮薬が入っているものがある。常用すると鼻の粘膜が変化する萎縮(いしゅく)が起こり、鼻づまりなどが起こる。これを「点鼻薬性鼻炎」といい、重症化すると萎縮する部分を削る粘膜切除手術が必要なこともある。使用回数は必ず守ろう。

Q:花粉症に効く米があるってホント?

 花粉症治療に詳しい東京慈恵会医科大学耳鼻咽喉科講師の浅香大也医師らの研究班では、遺伝子操作でスギ花粉のタンパクを米に加えた「緩和米」の有効性をみる臨床研究をしている。今シーズンが終わった後に結果が公表されるというから、その結果が楽しみだ。

Q:花粉症を根治させる薬は登場する?

 現在、世界的に花粉症を含めたアレルギー性鼻炎の研究が進んでいる。免疫療法で用いる薬に分子レベルの操作をし、アレルギー性鼻炎にかかわる免疫反応を抑える治療薬の開発も、世界レベルで進んでいる。浅香医師は言う。

「そういう薬ができれば、根治も夢ではありません。近い将来、そういう新しい薬が使えるようになることを期待しています」

週刊朝日  2014年2月14日号