週刊朝日 2月14日号 表紙の松たか子さん
週刊朝日 2月14日号 表紙の松たか子さん

 松たか子さんの澄んだ声で笑う飾らない表情に、現場の空気がふわりと優しくなった。

 22年ぶりに上演される串田和美演出の伝説の舞台「もっと泣いてよフラッパー」に出演する。この作品は、中学生のころ初めて自分の意思で見にいった。強い思い入れがある。

 1920年代、禁酒法時代のシカゴが舞台。松さんは田舎から上京した踊り子を演じる。

 当初は、自分が見た当時のものを超えられないと思いとまどった。

「毎日難しいなぁ、と悩みますが、がんばっていかないことには次に進めないので」

 音楽稽古は半年も前から始まった。練習量も、目指す完成度も高く、必死な毎日を過ごす。

「困ることが割りと好きなんです。何なんだって思うことに対して、ワクワクします」と話す表情から舞台にかける意気込みを感じた。

週刊朝日  2014年2月14日号