記者会見でのヘアスタイルやメークに「気合」が漂う (c)朝日新聞社 @@写禁
記者会見でのヘアスタイルやメークに「気合」が漂う (c)朝日新聞社 @@写禁

 新しい万能細胞「STAP(刺激惹起性多能性獲得)細胞」の開発に成功した、小保方(おぼかた)晴子さん。常識を覆す研究結果が大きく取り上げられるとともに、彼女の「女子力の高さ」も注目された。彼女はいったいどんな人物なのか。

 肩書は「理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(神戸市)のユニットリーダー」と、いかにも、という雰囲気。いったいどんな堅物リケジョかと思いきや栗色の髪を柔らかく編み込んでハーフアップにし、さらに肩で揺れる毛先は縦巻きカール。膝上丈のフレアスカートに、パールのイヤリングをつけ、マイクを握る左手の中指には英国ブランド「ヴィヴィアン・ウエストウッド」の大きな指輪が光るという女子っぷり。

 研究室の壁紙は黄色とピンクで、ところどころ、大好きだというムーミンのステッカーが貼られている。祖母からもらったという、かっぽう着を小柄な体にまとい、実験器具を手に、カメラに向かってにっこりほほ笑んでみせた。

 驚いたのは、その場に足を運んだ記者たちだ。歴史的な偉業、そして若く美しい女性研究者の姿に圧倒されたのはもちろんだが、まったくノーマークの人物だった。『えっ? この人だれ?』と、その場で顔を見合わせた。出身校はおろか経歴も実績もよくわからなかった」(全国紙科学担当記者)。大慌てで取材を姶めたという。

 ネット上では、即座に「美しすぎる研究者」のスレッドが立った。

結婚したい!」「小保方さん、クソかわいい」「広報の人かと思ってしまうくらい、かわいい理系女子」

 報道は一気に過熱。アイドルのような取り上げられ方に最も驚いたのは小保方さん自身だったようで、出身校などに自ら電話をかけ、「プライベートに関する部分の取材には応じないでほしい」と頭を下げるなど対応に追われた。

 小保方さんをよく知る人たちは「女子力は昔から高い。だが、それ以上の根性と努力の人。研究成果にこそ注目してほしいはずだ」と口をそろえる。

 小保方さんは1983年、千葉県松戸市で生まれた。東邦大学付属東邦高校(同県習志野市) を卒業し、2002年4月、早稲田大学理工学部のAO入試1期生として入学した。微生物を研究する傍ら、ラクロス部にも入部し、汗を流した。当時、同じ研究室で学んだ広島大講師の青井議輝さんは、「ラクロスで全国大会に出たい、と必死で練習していた。一方でプレゼン前に数百本の論文を読み込むなど、すべての面で取り組み方が半端ではなく、集中力がすごかったです」。

 だが、その姿に悲愴感が漂うことは微塵もなかったようだ。当時の指導教官だった常田聡教授も、「いつも笑顔で、気さくな性格。研究も本当に好きでやっているせいか、没頭していて近寄りがたい雰囲気はありませんでしたね」と振り返る。

※週刊朝日 2014年2月14日号