焼肉部という新しいサービスを始めた堀江貴文氏。スマートフォンのアプリが新しい出会いのきっかけになるとこう話す。

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 フェイスブックを利用した焼肉部という新しい形のソーシャルマッチングサービスをファウンダーとして正式リリースすることができた。

 これはフェイスブックというソーシャルネットワークサービスに入会(無料)することが必須となっているが、焼肉部に入会すると、まずフェイスブックの友人とペアを組むことが求められる。そうすると毎日、「ほかのペアと焼肉を食べませんか?」と推薦されてくるサービスだ。

 知らない人とネットで出会って焼肉を食べに行くという行為を通じて仲良くなることができるサービスなのである。

 出会い系サイトなどと違い、2対2のいわば合コン形式であり、フェイスブックに登録されているので写真やプロフィールも、あらかじめ確認することができる。ある程度安心して焼肉を食べに行くことができるという「画期的」なサービスなのである。

 また明日の予定がドタキャンなどで空いてしまった時にすぐに焼肉を食べに行ったり、あるいは友達を紹介することによって毎日の候補を1組増やすことができたり(これは有料で増やすことも可能)とフレキシブルな機能も備えている。

 焼肉だけでなく、例えばゴルフ部などヨコ展開も考えていて、サービスを日々拡充していく予定だ。すでに美人時計やイケメン店員MAPといったサービスとの連携も進めており、人々のマッチングニーズに応えていく予定である。

 このようなサービスは海外にもあまりないみたいで、世界各国のベンチャー企業経営者に話をしたところ、みんな口をそろえてこんなサービスが欲しかったと言ってくれている。

 そんなこともあり、既に東南アジアなどでの国際展開も準備中で春にはサービスインしそうである。日本の焼肉部でも韓国人や中国人も登録されて推薦されてくるので、勝手に国際的に広がりつつあるようだ。

 飲食店やレジャー施設などにとってみれば、1回部活動が成立すれば最低でも4人の顧客が見込める。それだけでなく、事前に予約してもらえれば安定した顧客獲得につながるので、このようなソーシャルマッチングサービスのニーズは高いはずだ。

 またビール会社などのPRなどにも使えるはずだと考えている。焼肉部に登録して指定の店(我々は部室と呼んでいる)に行く客に対して、ビール1本サービスなどの特典をつければ、効率的な顧客獲得につながるからだ。

 最近は街コンなどのイベントも流行っている。もともとは商店街の活性化のために青年会議所などの団体が主導して始まったイベントだが、派生イベントも増え続けているようだ。例えば「エヴァンゲリオン」の街コンなどマニアックなイベントもある。

 そういったニーズを常時マッチングできるということで、今後は取り込んでいきたいと考えている。新しく出会って何かを始めるきっかけがスマートフォンのアプリという現象がこれから増えていくことを確信している。

週刊朝日 2014年2月7日号