日本では7500種類も販売されているというヨーグルト。最近では、国が定めた規格や基準を満たし、健康への効果の表示が許されたトクホ(特定保健用食品)もあるが、人気商品がトクホでないこともあるのは、なぜなのか。

 トクホを取るのに、ヨーグルトや乳酸菌飲料のポイントは三つある。

(1)便性の改善
(2)腸内の有用菌(ビフィズス菌や乳酸菌)が統計学的に有意な増加
(3)腸内の有害物質が減少すると同時に摂取した菌が「生きたまま」腸に達する

 つまり、整腸効果の証明がなされているのだ。

 ある研究者は「取得にかなりの日数と費用がかかる」と話す。「整腸効果の検証をしていても、新規性がなかったり、ほかの特徴あるエビデンス(科学的根拠)のPRがしにくくなったりするので、あえてとらないケースもある」とも。

 ほかのエビデンスがあったとしても、現時点では消費者庁が許可した例はない。しかしフジッコの「カスピ海ヨーグルト プレーン400g」のようにトクホではないが、健康な体づくりに関する科学的研究を北海道庁から認められたものもある。甘さが控えめで人気の「ヤクルトAce」は、発売から半年後(昨年秋)にトクホを取得した。

 結論をいえば、多くの商品がある中でトクホは一つの「安心材料」にはなる。でもそれがなくても、体に合えば「あり」ではないか。研究成果を公表しているメーカーもあるので、内容を問い合わせてもいいだろう。

週刊朝日 2014年1月24日号