代理婚活パーティー会場の様子 (c)朝日新聞社 @@写禁
代理婚活パーティー会場の様子 (c)朝日新聞社 @@写禁

 とどまるところを知らない「婚活」ブーム。必死なのは当事者だけではない。子どもに代わって親が結婚相手を探す「代理婚活会」への参加者が増えているという。その会場にノンフィクションライターの黒川祥子氏が潜入した。

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 会場には、むんむんたる熱気が立ち込める。親たちは、真剣な表情でプロフィールに食らいつく。司会者に促され、まず娘を持つ親がお目当ての男性の親の元へ移動する。

 子どもの学歴、職業、身長、体重、血液型、趣味、長所、家族構成などを記した「身上書」と写真を見せ合い、お互いに納得すれば、身上書を交換して家に持ち帰る。それらを見た子どもが当人に会いたいとなったら、「リアルお見合い」が実現するという仕組みだ。

 開始早々、すぐに行列ができたのは、職業欄に「勤務医(内科)」とある息子を持つ母親の前だった。その母親は身上書を見て、てきぱきと列をさばいていく。

 ほかに列ができているのは「38歳・長男・東大卒・研究職」「35歳・初婚・東京医科歯科大学医学部卒・内科医師」などだ。娘の親が重視しているのは、「高学歴・高収入」であることが歴然とわかる。

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