東京都の猪瀬直樹前知事(67)の辞職に伴う都知事選で、細川護煕元首相(75)が14日、立候補を表明した。

 細川氏の出馬で大混戦となった都知事選で、最大のキーマンになりそうなのは、何といっても小泉純一郎元首相(72)である。

 昨年秋以降、講演会や記者会見で「脱原発」を強く訴え、安倍晋三首相(59)に政策転換を迫った小泉氏。

 昨年12月17日、東京・赤坂の日本料理店で開かれた自民党の会合で安倍首相と顔を合わせた際もこう牽制球を投げた。

「一番大事なのは国民の信だ。信無くば立たずだ」

 だが、すぐ後に「そうは言っても俺なんか『チン無くば立たず』だけどな」と得意の下ネタで笑いを誘い、険悪なムードになることは避けた。

 細川氏に対し、「あなたが出るなら応援する」と、出馬を促した小泉元首相。14日昼、小泉氏と会談直後、細川氏が出馬宣言した時も、その傍らに立ち、記者団を前にこう檄を飛ばした。

「東京が原発なしでやれるという姿を見せれば、必ず日本を変えることができる」

 ともに国民的人気を誇った首相経験者2人がタッグを組んだインパクトは計り知れない。

息子の進次郎氏(32)は安倍政権で復興政務官を務めるが、「舛添氏の応援に大義はない。私は応援しない」と記者団に語り、公然と反旗を翻した。

小泉親子の挑戦状に対し、安倍自民党に大きな動揺が広がっている。

週刊朝日 週刊朝日 1月24日号を加筆・修正