いまや大学生の2人に1人が奨学金を利用する時代。だが、その奨学金の9割は、独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)のもの。JASSOの奨学金は、無利子、有利子があるが、いずれも返済が必要な「貸与型」。つまり“借金”だ。

 一方で、数は少ないが返済不要の「給付型」奨学金もある。ほとんどの大学には家計が困窮する学生を対象に授業料の全額または半額減免などの制度があるが、これとは別に「給付型」奨学金の制度をもっている大学も多いので、これを利用しない手はない。

 特徴的な奨学金制度をいくつか紹介したい。まずは国公立大学から。

 注目すべきは、広島大の「フェニックス奨学制度」だ。入学料、在学中の授業料全額免除に加え、月額10万円が給付され、総額は約720万円にのぼる。経済的に困窮する学生であることが必須で、一定の学力基準も求められ、10人程度が採用される。

 山形大の「山澤進奨学金」も魅力的だ。入学料・授業料免除に加え、月額5万円の給付金で、総額約480万円となる。成績や世帯収入以外に、「卒業後4年間は山形県内で働くこと」の条件があるのが特徴的だ。

 以上の2大学の制度はいずれも、入試前に申請する必要があるので注意したい。

週刊朝日 2014年1月17日号