俳優の古田新太氏が居酒屋やイタリアンレストランで暴れる子供を見て思い出した歌は、昨年あのドラマでお世話になった(?)あの人の歌だった。

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 休みがない。11月に入ってから一日も休みがない。大人ってば、こんなに働かなければならないのか。大人って大変なんだなー。あぁ、子供の頃に戻りたい……なんてことは思わない。何故なら、おいらは子供が嫌いだからだ! よし言えた。もう一回言っとくが、おいらは子供が嫌いだ!

 よく子供を携帯の待ち受けにして、「ねえねえ、これうちの姫」なんて見せてくる奴がいる。知らんわ、おのれのガキなんて。何も考えてない、大福のようなポヨポヨの小さい生き物を見せられて、おいらはどうすればいいんだ。感想を言わなければいけないのか? どうせ感想ったって「カワイイー」しか許さんのだろうが。もし「ぶっさいくだなー」とか言ったら気分を害するんだろ。こっちに自由な発言権がないんだったら、無理矢理見せんな。せめて「見る?」って聞いてくれ。そしたら「見ん!」って返すから。

 あと、犬な。あんな毛だらけの落ち着きのない生き物、一向に興味がない。いかん、犬の話は後日だ。

 今回は「子供」だ。冒頭にも言ったが、おいらは休みがない。たまに夕方、仕事上がりで居酒屋に行くと、いるのよ、ガキが。ありゃなんだ? こちとら数少ない飲酒という楽しみに居酒屋に行くのだが、なんでガキがいる。酒飲んじゃ駄目なんだから、ファミレス行けよ。本当に最近多いんだよなぁ。ギャーギャー喚(わめ)き散らして、店内を走り回る。床に座ってオモチャで遊ぶ。人のテーブルにぶつかって「ごめんなさい」の一言も言えない。そんな生き物を、たくさんの大人達が一日の疲れを癒やしているところで遊ばせるな! 家に置いとけなくて連れてくるなら、しっかり躾(しつけ)をしとけ。できないなら連れてくんな。

 同士諸君! 怒ろう。おいらは決めた、声に出して叱ろう!

 この間、ちょっと小洒落たイタ飯屋に行った時だ。この店は、ワインだけじゃなく、日本酒も置いてくれているので通っている。その日、友達と2人で飲んでいたら、来やがった。夫婦2組+ガキ2人。親達がワインと洒落込んでいる横で、パスタとスープとライスというよくわからん食い合わせの物を胃に詰め込んだガキ共は、早々に退屈し始めた。「キーッ」。出た、ガキ特有の意味不明の怪鳥音。走り回り、向こう側の客のテーブルにぶつかった。親は知らんぷり。遂においらは「こら!」である。「みんなが食事をしている所で暴れるな。行儀良くできないんだったら家に帰りなさい」。偉いね、おいら。感情的にならないもんね。父親の一人が謝りに来て、子供を席に着かせた。その時の母親の一言、「あのおじさん怖いから静かにしようね」。ドッカーン、おじさんが怖いからじゃない、公共の場所で静かにするのは当たり前だろうが。ガキもガキなら親も親だ。

 昔、伊武雅刀さんが歌っていた「子供達を責めないで」という曲があった。うろ覚えだが、その一節を。「私は子供が嫌いです。子供は幼稚で礼儀知らずで気分屋で…甘やかすと付け上がり、放ったらかすと悪乗りする…私は子供に生まれないで良かったと胸を撫でおろしています…」。まったくその通り! ちなみに、作詞は秋元康さん、昨年はお世話になりました。え、なったか?

週刊朝日 2014年1月17日号