テレビドラマ「半沢直樹」での大活躍で歌舞伎界の人気者からお茶の間の人気者へと新たなファン層を広げた歌舞伎俳優の片岡愛之助さん。作家・林真理子氏との対談で「半沢ブーム」の影響力についてこう話す。

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林:愛之助さんといえば、2013年の大ヒットドラマ「半沢直樹」の、金融庁の黒崎役で人気を博しましたけど、あれを見た人、いま歌舞伎のほうに流れてきてます?

片岡:はい、ありがたいことに。僕、最近遅ればせながらブログを始めたんですけど、9割ぐらいの方が「黒崎さん」って来るんですよ(笑)。「黒崎さんって歌舞伎もやってるんですか?」というところから始まって(笑)、「黒崎さんの歌舞伎見たい」ということで、ずいぶん来てくださいました。「黒崎さんのおかげで歌舞伎が見られました。こんなに楽しくておもしろいものとは知りませんでした」って。

林:まあ! ラブさま人気で若い人が歌舞伎に来るって、すばらしい現象ですね。

片岡:僕ら、お客さんの入りは気にするんですけど、視聴率はそんなに気にしなかったんですよ。でも、「半沢」に出させていただいたら、誰しもが思わなかった爆発的な視聴率じゃないですか。視聴率の影響って、すごいなあと思いましたね。

林:あれはオバケ番組でしたよね。

片岡:数カ月前まではふつうに街を歩いていたのに、「写真撮らせてください」って、急に見通せないぐらいワーッと人がたかるようになって、警備員の人が出てきて、「タクシーに乗ってください!」とかえらいことになって(笑)。

林:また黒崎さんは味があるから。

片岡:いや、ドラマぶち壊しですよ。堺(雅人)さんがあんなに真剣にやっているのに、「フザケてるのか?」みたいな(笑)。監督に「これ大丈夫ですか。ぶち壊してませんか」って聞いたら、「いや、それがいいんですよ」って(笑)。

週刊朝日 2014年1月3・10日号