抜群の集中力で来季の賞金女王を狙う (c)朝日新聞社 @@写禁
抜群の集中力で来季の賞金女王を狙う (c)朝日新聞社 @@写禁

 2013年の日本女子プロゴルフは、森田理香子(23)が初の賞金女王に輝いて幕を閉じた。だが年間を通じて話題を振りまいたのは、130万円の僅差で女王を逃した横峯さくら(28)。解説者の村口史子さん(47)が、すったもんだの一年を振り返った。

 横峯は5月、連続予選通過記録91試合を更新。8月に101で途切れたが、大記録を打ち立てた。9月には日本女子ツアー史上3人目の生涯獲得賞金9億円に到達した。

「12年の横峯さんは、持ち球のフェードボール(左に打ち出し、右に曲げる球筋)が不安定になったのを始めとしてドライバーの調子が悪く、結果が出なかった。でも13年はオフのトレーニングの成果で体ができていました。ショット、パットともによかったですね」

 横峯を語るときに欠かせないのは、群を抜くメンタル面の強さだ。動じない。

「たとえば全米女子オープンに参加したときのこと。ふつうは緊張して、なかなかいつもどおりのルーティンでティーショットを打てないのですが、彼女の場合、打つ前に水を飲むところも含め、国内の試合とまったく同じなんですね」

 8月には連続予選通過の最多記録更新が止まった。さすがの横峯もブログに、「いつの間にか、プレッシャーを感じていた」と綴った。

「ある意味、記録が途切れてホッとした部分があったのではないでしょうか。実際、いいリスタートが切れましたから」

 おしまいは11月中旬。12月の日立3ツアーズ選手権(11月3日終了時点での賞金ランク3位までが出場資格あり。横峯は2位だった)を、姉の彩花さんの結婚式に出るために欠場すると表明。日本女子プロゴルフ協会から罰金100万円を科せられ、支払った。

 この一件の動揺がなければ、賞金女王もあったのでは、と思ってしまう。

「この件については、経緯はわかりません。でも、気持ちは切り替えていましたね。横峯さんは本当に周囲の騒動を試合に持ち込まないタイプなんです」

週刊朝日  2014年1月3・10日号