映画では女優にも挑戦した(撮影/写真部・関口達朗、ヘアメーク/宮下英春)
映画では女優にも挑戦した(撮影/写真部・関口達朗、ヘアメーク/宮下英春)

 2013年、もっとも忙しかった“母親”といえば、タレントの美奈子(30)だろう。4月に「ビッグダディ」こと林下清志さん(48)と離婚。5月に出版した自伝が20万部を超える大ヒットとなり、夏には芸能界デビューを果たした。本人が激動の一年を振り返った。

「本当に、この一年は嵐のように過ぎていった感じ。どう過ごしたのか、まったく記憶にないんです」

 大ブレークのきっかけとなった自伝は、父や最初の夫からのDV被害など、赤裸々な告白が注目を集め、映画化もされた。

「再出発するにあたって、区切りをつけたかった。両親や最初の夫とのことを思い出す作業は、すごく苦しかったけど、あの本のおかげで、両親から愛されていた部分もあったと思えたし、子どもたちにも、父親のことをいい思い出として話せるようになりました」

 周囲の勧めで芸能事務所に入ることを決めた。

「収入を得るためです。前夫2人から養育費をもらっていないので、2歳から中学2年生まで6人の子どもを一人で育てるには、仕事が必要だったんです。子どもたちも応援してくれています。テレビを見て『あのメークはかわいい』とか、『洋服が似合ってた』とか言ってくれます。ダメ出しもされますが(笑)」

 仕事の日はベビーシッターや実弟に子どもの世話を任せるが、子どもたちも美奈子を支えてくれるという。長男がおやつをつくって妹たちに食べさせたり、みんなで部屋を掃除したり。

 仕事に関しての自己分析は、なかなか厳しい。

「まだまだ素人だし、このままだとダメ。でも、自分だからこそ伝えられることがある」

 いまもっとも関心があるのは、やはり子育て。美奈子流の子育て論をまとめた『母親失格』(朝日新聞出版)を11月に上梓、家族旅行に密着したDVD(ビッグマミィ~美奈子ファミリーの休日~)も14年2月に発売される。

「こういう育て方もあるんだよってことを、知ってもらいたいんです」

 最後に新年の抱負を語ってもらった。

「子どもたちと楽しい一年を過ごしたいですね。子どもたちの成長ぶりをまったく記憶できていない一年を過ごしたから。それがとても悔しい。だから仕事も頑張るけど、子どもたちとも一緒にいたい。再婚は……。自分に余裕ができてからですね」

週刊朝日 2014年1月3・10日号