働く女性と専業主婦「弱者はどちら?」 心理学者が分析 (2/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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働く女性と専業主婦「弱者はどちら?」 心理学者が分析

 そういう女性たちは、子どもを預けて働きたくても、働く場がないので、仕方なく専業主婦のままでいることも多い。その場合、パートの求職活動をするのに「子どもを預かってくれる保育所がない!」とデモをすることもない。

 彼女たちの多くは、子どもが産まれる前から仕事を持っていなかった。日本では、学校を出て正社員になり、「結婚しても子どもができても仕事を継続するのが当然」と思う女性の数はまだまだ少ないのである。自立している女性というのは24歳になるまでに300万円以上の収入を得ている女性のことで、彼女たちはそれを失おうとは思わない。

 地方の高校や専門学校を出て、20代前半に300万円を得る仕事に就いている人は少ない。就職する時に、「一生続けられる仕事に就きたい」と思うよりは「自分の条件にあった仕事があれば就職したい」という堅実的でない夢を「女性らしく」持っている(この夢は、状況的には至極必然的なものなのである)。

 しかし、気がつけば「専業主婦」になっていた。

「専業主婦」になってから「一生続けられる仕事に就きたい」と思っても、条件は未婚の時よりも一層厳しくなっていて、それをデモで告発しようという選択肢すら思い浮かばない。

 分岐点は、学校を卒業した時に「5年以内に300万円の収入が保証される仕事に就こう」という決断をするか否かなのである。

 多くは資格を使おうとはせずイメージで仕事を選ぶために、20代後半を非正規身分で生きなければならない。日本の平均初婚年齢は女性でも30歳に近づいているから、長ければ10年から12年もの間、女性は一人で不安に生きていかねばならない。たとえ「専業主婦」になったとしても、無職だから子どもを幼稚園に入れるしかない。

 専業主婦の方が弱者であるという視点は「アンチ・ビジネス派」には見られない。

週刊朝日  2013年12月27日号


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