口臭は「舌磨き」では治らない? 舌は磨くよりも「掻く」のが正解

週刊朝日#健康
 甘利大臣の舌がん発症を機に、舌が気になりだした人も多いだろうが、舌のケア法は誤解されがちだ。

 大事な舌のケアについて警鐘を鳴らす人物がいる。日本口臭学会常任理事で、ほんだ歯科(東大阪市)院長の本田俊一氏だ。

「舌は非常にデリケートな器官で、体調不良やストレスなどによってすぐ動きが停滞してしまいます。すると唾液がサラサラと流れなくなり、舌の上がネバネバする、口臭がする、といった不快な状態になる。そこで『舌磨き』をして、舌を傷めてしまう人が増えているのです」

 本田氏によれば、多くの人は口の中が気持ち悪いから、あるいは口臭が気になるから、舌の表面を歯ブラシ等でゴシゴシこすっているのだとか。これでは舌苔どころか舌乳頭までゴッソリ取れてしまい、舌がヒリヒリしたり、味覚障害になったりする。また、舌乳頭が失われれば、舌の上に唾液をためておけない。だから、舌を磨けば磨くほどドライマウスが進行するのだという。

「目の粘膜をゴシゴシこすったら大変なことになりますよね? 舌も同じ粘膜ですから、こすると損傷してしまうのです。実際、舌磨きを熱心にしている人の唾液を調べると、舌乳頭の組織が混ざって汚れています。こういう唾液では口臭もあるはずです」(本田氏)

 とはいえ、舌の上に白い苔様のものがびっしり生えていれば気になるものだ。そんな舌をどうケアすればいいのだろうか?

「昔の日本には『舌を掻(か)く』という言葉があり、ヘラ状の道具で舌の表面の汚れを掻き出す習慣がありました。『磨く』というとブラシでゴシゴシこするイメージですから、『掻く』と思えばいいと思います」(同)

 ブラシだと毛先が舌乳頭の奥まで入りこむので組織を傷つけてしまう。そこで本田氏が推奨するのは、スプーンの裏で、あるいは指の腹に塩を付けて、そっと舌の表面をなでる方法。これで舌の表面のぬめり(唾液層)のみを「掻き出す」のがポイントだという。

「そもそも、舌苔を『取らなければいけないもの』と考えるのが間違いです。寝たきりの病人など、よほど口腔内の状態が悪い人は別ですが、普通の人は舌苔を取る必要などありません。さらに言えば、舌苔が口臭の原因だというのも誤解です。舌の臭いは、舌苔ではなくそこに停滞した唾液層から出ています。唾液の流れをよくすれば、舌磨きなどしなくても舌はきれいになります。どうしても口の中が気持ち悪いときは、先の方法で、あくまで唾液層だけ取り除くようにしてください」(同)

週刊朝日 2013年12月27日号

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