週刊朝日連載の「山藤章二の似顔絵塾」で今年の大賞が決まりました。選考会は、バラエティー番組「だんくぼ・彩(いろ)」(テレビ朝日系)出演中のタレント、壇蜜さんと大久保佳代子さんを迎えて行われた。塾長・山藤章二さん、本誌編集長とともに、選考をしながら似顔絵について語り合いました。
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壇蜜:(似顔絵のモデルは)圧倒的に男性が多いですね。
山藤:本質的な指摘です。女性を描きにくいのは、顔のパーツでアピールする部分が男性ほど大げさじゃないから。美女はだいたい似てしまうんです。このルイ・アームストロングみたいな、とんでもない人は出てこない。私も男性のほうが描きやすい。
大久保:タレントのベッキーちゃん、こうなっちゃうんだ。
壇蜜:フランスの風刺絵みたい。女性は、風刺っぽくなるからかな。こうなると笑いで済まされない。
編集長:ずいぶん昔に亡くなった方でも、みんなに愛されている方は描かれ続けますね。
山藤:そう、相変わらず渥美清ばかり描いてくる人います。いい加減にモデルを代えろ、って言いたくなるけど(笑)。心のなかに住み込んじゃってるんだろうね。
壇蜜:渥美さん、海外の人が思う「典型的な日本人顔」で真っ先に挙がるんですって。
編集長:えっ、そうなんですか?
山藤:あの四角い顔が?
壇蜜:はい。以前、海外のデザインの教科書を読んでいたら、「日本人の顔のつくり方」という項目があったんです。その本の一番初めに「例えば、渥美清は」とあって。代表的な日本人としてとらえられていることにビックリしました。
編集長:どうして、その教科書を読まれたんですか?
壇蜜:アメリカへ研修で行ったとき、現地の図書館でたまたま。日本人の代表的な顔が渥美清でいいんですかね、なんて、仲間うちで言ったりして(笑) 。
※週刊朝日 2013年12月27日号