「姉」が藤圭子さんのママぶりを振り返る

週刊朝日#お悔やみ
 今年8月に死去した歌手の藤圭子さん(享年62)。藤さんと昭和歌謡界をともに歩み、親交もあった歌手の八代亜紀さんは、藤さんを「妹」のようだったと言い、こう振り返った。

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「アメリカに行って、ロックを歌うんだ」

 35年近く前、そう言って圭子ちゃんが日本を離れたとき、とても驚いたものです。当時の歌謡界はいま以上にイメージが重視されていたし、勇気があるなあって、いまでこそ私もジャズやヘビメタを歌っていますが、彼女の柔軟な感覚は、時代の先をいっていたのかもしれませんね。

 渡米を機に交流はしばらく途絶えてしまったけど、向こうで彼女が結婚・出産をして日本に戻ってきた後、また歌番組などで何度か会う機会がありました。ヒカルちゃんがまだ幼いころに、スタジオに連れてきたことがあったんです。リハーサルのときにヒカルちゃんがトコトコとスタジオを駆けまわったら、「こら、いけません」なんて叱っていました。「ああ、ママをやってるんだな」って、ほほ笑ましく思ったものです。

 1997年にはNHKの番組「ふたりのビッグショー」で共演したこともあります。タイトルどおり、ふたりで歌い進めました。エンディングで「なごり雪」をデュエットしたんです。歌い終えたところで、なぜか、圭子ちゃんが私の胸元にぺたーっと体を預けるようにもたれかかってきたの。「え?」と思いながら、私も、子どもみたいに「よしよし」って頭をなでちゃった。あの瞬間、圭子ちゃんのことが本当にいとしかったですね。

 考えてみると、昔から私たち二人の関係は姉妹のよう。私がお姉さん役で、圭子ちゃんが妹役。先日亡くなった(年上の)島倉千代子さんも、「疲れちゃった」なんて甘えてくることがあったから、私って頼られキャラなのかな。ほわんとしてるせいかしら(笑)。

 もっともっと、あのすてきな声を聞きたかったですよね。

週刊朝日 2013年12月20日号

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