桜井宏(さくらい・ひろし)1956年生まれ。選挙区は三重3区(四日市市の一部など)。北大大学院修了後、大成建設などに勤務 (c)朝日新聞社 @@写禁
桜井宏(さくらい・ひろし)
1956年生まれ。選挙区は三重3区(四日市市の一部など)。北大大学院修了後、大成建設などに勤務 (c)朝日新聞社 @@写禁
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 小泉純一郎元首相の原発「即時ゼロ」発言が波紋を呼んでいるが、自民党の桜井宏議員は「反小泉派」として以下のように原発推進論を語っている。

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 私はコンクリート工学が専門で、大手ゼネコンで原子炉の耐震設計を行っていました。新潟県の柏崎刈羽原発3号機の設計にもかかわっています。

 福島の原発事故は専門家として強いショックを受けました。自然エネルギーの拡充を目指す重要性も、よくわかっています。

 ですが、それでも私は脱原発に反対です。日本はエネルギーを海外に依存している国だということを忘れてはいけません。さらに電力供給が不安定になると場合によっては人命に直結してしまうのです。

 老朽化した原発の建て替えや、最高度に安全な原発の新設を行い、54基を維持すべきです。今年の猛暑でも電力不足は起きなかったという意見がありますが、現場の声は違います。大停電を回避するため綱渡りが続いているのです。

 核燃料サイクルに関する研究、開発も続行するべきでしょう。世界的には、これからも原発は増えます。技術的貢献など、日本が果たす役割は決して小さくありません。

 震災前、専門家の被害想定が甘かったのは紛れもない事実でしょう。そのため非常時の訓練が徹底できず、被害が拡大した可能性もあります。しかし原発事故を起こした国だからこそ、安全な原発技術を発展させることは日本の責務ではないでしょうか。

 有権者の方々も原発に関する正確な情報を蓄積してこられました。こんな国は世界ではまれです。対話を重ねれば、原発の必要性を理解してくれると信じます。

週刊朝日 2013年12月20日号