掘り起こしの作業が開始された
掘り起こしの作業が開始された
掘り起こしの作業が進む
掘り起こしの作業が進む
掘り起こされたガラクタ
掘り起こされたガラクタ
警察が掘り起こしの現場を現状保存
警察が掘り起こしの現場を現状保存

 パワーショベルが、地中に深く埋められた「除染の闇」の動かぬ証拠を掘り起こした。除染特需となっている福島県で放射能を帯びたガラクタを除染業者が家主に無断で庭に埋める、という前代未聞の不法投棄事件が今西憲之と本誌の取材で明らかになった。福島警察も捜査に乗り出した。

 問題の現場は福島第一原発から約20㌔の距離にある、福島県田村市東部の小さな集落だ。この地域は避難指示解除準備区域で、除染は国の予算で行われており、同市が主体となった、いわば”公共事業”だ。

 端緒は11月初旬、今西氏の元に届いた1通の手紙だった。差出人はまったく面識のない吉田慎三さん(40代、仮名)。手紙には簡単な地図が描かれ、〈埋めた場所〉と記されていた。

 そしてこう記されていた。
〈放射線を含んだ物が埋められている。早く掘り出さないと大変なことになる〉

 手紙によると、吉田さんは除染の作業員として放射能に汚染されたゴミを民家の庭の地中に埋めたという。内部告発を放置できないと取材班は地図を手掛かりに埋めた場所を特定した。

 民家の所有者の許しを得て、取材班は市役所職員の立ち会いの下、掘削作業を11月26日、決行した。

 土を掘り、地中1㍍近くに達した時、異様な匂いが周囲に漂った。そして布きれのようなものが大量に出てきた。
「警察に来てもらわないと」
 市役所職員がつぶやいた。(詳報は12月3日発売の週刊朝日に)

週刊朝日 12月13日号