いちばん難しいのは「母娘介護」? 過去のしがらみで復讐も

 いざとなると戸惑わざるをえない親の介護。とくに母が娘に介護される場合が難しい。母が娘にキツく当たったり、娘が必死になりすぎて体調を崩すケースもある。精神科医の和田秀樹さんは「母娘介護には過去の『人間関係』が影響する」という。

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 介護のため仕事を辞めたり転職する「介護離職者」は現在年間15万人。女性が8割を占めています。50代半ばぐらいで泣く泣く介護離職する女性が、私の周りでも多くなってきました。

 こうした状況が収まらない理由の一つは、親の中に「嫁や娘が自分を介護するのは当たり前」という発想があるからです。男女共同参画社会時代だから保育園を増やそうといっているのに、結局は親が女性を介護にしばりつけてしまう。女性の国会議員が増えても、女性に優しい社会にはなっていないのです。

 女性による介護でも、嫁と娘では少し違います。たとえば義母に対して嫁はプロの介護者のように、「心理的な距離」がとれる。でも娘は、実母の介護にのめり込んでしまう。認知症のケースでも、嫁は多少冷めた目で義母を見られるのに対し、娘はそんな母へ感情的になりやすい。敬愛していた母親に、5分おきに同じことを聞かれたり粗相されたりすると、見るに堪えないという心理的ストレスを抱えやすいのです。そして、つい手が出てしまうこともある。

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