ポール・マッカートニー旋風 再び、ビートルズ・ブームが巻き起こる 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

AERA dot.

ポール・マッカートニー旋風 再び、ビートルズ・ブームが巻き起こる

このエントリーをはてなブックマークに追加

 解散からすでに40年以上経ったにもかかわらず、再び、ビートルズ・ブームが巻き起こっている。中でも話題なのは、ポール来日中の11月11日に発売されたビートルズの新しいアルバム。と言っても、もちろん新録音ではない。その魅力をライターの和田靜香氏が取材した。

*  *  *
「オン・エア~ライヴ・アット・ザ・BBC VIII2」は63~64年、イギリスのBBCラジオで放送された、ビートルズのライヴ演奏を集めたもの。若いロックバンドの魅力が活き活きと輝くサウンドだ。日本では洋楽部門で1位となった新作に続き、発売初日で、「オリコン」のデイリー・ランキング(CDアルバム)1位となった。

 これにはポールも興奮したのか、「みんなのおかげで、CDが1位になった。サイコー」とコンサート中、叫んでいた。

 今、改めて聴く初期のビートルズ・ライブCDからは、当時の若い女性ファンが嬌声をあげ、熱狂のあまり失神したのも納得できる興奮がある。ビートルマニア(ビートルズのファンは60年代からこう呼ばれる)で、音楽サイト編集者の竹部吉晃(たけべ・よしあき)さん(46)はこう解説する。

「ビートルズでどの時代が好きですか?という質問がありますが、僕は初期だと思います。デビューした62年から64年。確かに中期も後期も楽曲はすばらしい。でもロックバンドを聴く面白さからすると、この時代がベストです」

 熱狂と夢をくれたビートルズ初期を、今もよく覚えているのが、音楽評論家の中安亜都子さん(58)。

「それまで感じたことのない、とてつもないエネルギーの塊に、ひたすら『キャア~!』と声をあげるしかありませんでした」

 日本で最初に発売されたビートルズのレコードは64年2月、シングル盤「抱きしめたい」。瞬く間に日本の10代、特に女の子たちが熱狂した。まだ「ロック」という言葉も浸透しておらず、「ポピュラー音楽」という名で呼ばれていた頃だ。当時の10代の子どもたちには今のような楽しみはなく、日々の生活は素朴なもの。そこへ突然現れたビートルズに、子どもたちは一気に熱狂した。前山の中安さんはこう分析する。

「それまで主流だったお行儀のいい白人ポップスと違い、ビートルズはロックンロールや黒人音楽に影響され、自分をありのまま表現するすばらしさを見いだし、自分たちも自由に表現した。当時の私たちにはまったく新鮮なもので、興奮し、価値観やその後の人生まで変えられました」

 64年、ビートルズが日本に登場したことは音楽だけにとどまらず、当時の日本の若者、殊に女の子たちの価値観や生き方に、大きな影響を与えた。

週刊朝日 2013年12月6日号


トップにもどる 週刊朝日記事一覧

続きを読む

   ポール・マッカートニー をもっと見る
このエントリーをはてなブックマークに追加