寝付けない、眠りが浅いなど睡眠に不安を抱える人は少なくないが、睡眠不足は女性にとっても天敵だ。睡眠改善インストラクターの友野なおさんは、「快眠は『キレイ』の近道です」という。

*  *  *

 私は24歳でミス日本になったのですが、その後に忙しく働いて生活のリズムが乱れるなか、異変が起きました。

 肌荒れだけでなく、おなかがすいてケーキをワンホール食べたり、お団子をパクパク食べたり。半年で7キロも増えました。「きちんと寝たら?」と母に言われ、気をつけてみると、みるみる間に回復したのです。あの時期は睡眠の質が悪く、ホルモンや自律神経の影響から食欲がすごく増して太りやすくなっていたんですね。その体験がいま、私の睡眠改善活動の原動力になっています。

 美のためには、単に長く寝ればいいというわけではありません。睡眠のリズムを整え、質のいい睡眠中に出る、さまざまなホルモンを利用するのがポイント。例えば筋肉を作り代謝向上に貢献する成長ホルモンは、入眠後3時間以内の深い睡眠時に大量に分泌されます。体内の脂肪をエネルギーに変換するコルチゾールは、午前3時くらいから大量に分泌されます。この二つのホルモンの分泌ピークが重ならないよう、寝てすぐに深い眠りに入ることが大事。

 ゆるいソックスをはくと、足の血行がよくなり、深部体温の放熱もスムーズになる。深い睡眠に入っていきやすいと思います。また、寝具との間に摩擦が起きて寝返りしにくいジャージーなどはNG。オーガニック100%の綿やシルクのパジャマがお勧めです。

 快眠に関わる栄養素も知っておきたいですね。例えばタンパク質(必須アミノ酸)のトリプトファン。乳製品、豆腐、卵、バナナやナッツ類などに含まれます。日中は元気の源になる神経伝達物質に変わり、夜には“睡眠ホルモン”のメラトニンに変化します。

 ぜひ朝から摂りたいですね。時間がないときはヨーグルトとバナナだけでも召し上がってみてください。

週刊朝日 2013年11月8日号