知事に戻ってまたチヤホヤされたい? (c)朝日新聞社 @@写禁
知事に戻ってまたチヤホヤされたい? (c)朝日新聞社 @@写禁

 昨年12月にバッジをつけて以降、すっかり影の薄かった「日本維新の会」の東国原英夫衆院議員(56)。だが最近、ちょっとした注目を集めている。

 10月12日付の宮崎日日新聞に「知事選立候補に意欲」と大きく報じられたのだ。記事によると、2015年1月に任期満了を迎える宮崎県知事選について、東国原氏は「出馬したい。もう一度知事をやりたい」と複数の地元関係者に伝えたという。この変わり身の早さにあきれながら、宮崎県議会の関係者が解説する。

「口蹄疫(こうていえき)問題が完全に終息しない中、1期で知事を“トンズラ”した東国原氏ですが、確かに経済、観光業界を中心に待望論が出ているのは事実です。官僚出身の現知事がPRに熱心でなく財政も低迷しているため、再び『客寄せパンダ』の役割を期待されているのです。本人も色気を見せていて、『出たら勝てるのか?』『現職は出馬するのか?』などと、地元関係者にリサーチしている。その動きが漏れて、今回の記事となったようです」

 11年1月の知事退任時に「国のシステムを変えることが宮崎のためになる」と言いながら、2カ月後には素知らぬ顔で東京都知事選に立候補した東国原氏。いまさらどんな“転向”をしようと驚かないが、せっかく手にした議員バッジを手放す理由は何なのか。

「党の要職は平沼赳夫氏ら旧『太陽の党』の長老組が占め、東国原氏は完全に干されています。7月の参院選後に“平沼降ろし”のクーデターを仕掛けましたが、失敗。党の支持率も低迷し、『もう辞めたい』『理想とは違った』と周囲にグチっているようです。知事に戻って再び脚光を浴びたいというのが本音でしょう」(同党衆院議員)

 10月17日にはツイッターで、消費増税への賛否が片山虎之助政調会長に一任されたことに不満をぶちまけていた。やはり転身は本気なのか。国会で直撃した。

「マラソン大会などのイベント参加のため、よく宮崎には帰るのですが、『もう一度、盛り上げてくれないか』という意見をもらうのは事実です。しかし、出馬はしません。衆院議員を続けます。党にもそのように話しています」

 本誌には完全否定した東国原氏。だが、同党の中堅議員は別の見方をする。

「最近、維新に民主党とみんなの党の一部を加えた、新党構想が持ち上がっています。東国原氏も『自民に対抗するため、一刻も早く、年内にもまとまるべきだ』とよく発言しています。実際に新党ができれば、それに便乗してのし上がれる。新党が幻に終われば、知事選出馬となるのではないか」

 宮崎県議会は「出馬されたら、なんだかんだで勝たれる」と戦々恐々の様子。それにしてもこの無節操、どげんかせんといかん?

週刊朝日 2013年11月8日号