肺の生活習慣病が7年後、あなたを震撼させる? 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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肺の生活習慣病が7年後、あなたを震撼させる?

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週刊朝日#病気
真っ白に写った肺のエックス線写真 (c)朝日新聞社 

真っ白に写った肺のエックス線写真 (c)朝日新聞社 

 近年COPD(Chronic Obstructive Pulmonary Disease、慢性閉塞性肺疾患)という肺の病気が注目されている。2013年の「健康日本21」の改正では、初めてがん・循環器疾患・糖尿病と並ぶ主要取り組み疾患に取り上げられた。近年、厚生労働省と日本呼吸器学会、製薬会社が一丸となって周知活動を行っているので、テレビCMや車内広告などでその名を見聞きしたことがあるという人も多いだろう。

 COPDは、気管支の炎症によって空気の通り道が細くなったり、肺胞の障害によって血管への酸素の供給が阻害されたりする病気だ。その認知度アップに国や学会が注力し始めた背景には、驚きのデータがある。WHOによると、COPDは1990年の世界の死因第6位。それが2020年には、なんと第3位にまで浮上すると予想されているのだ。

 加えて、国内調査(2004年、Nippon COPD Epidemiology study)では40歳代以上の8%、約500万人がCOPDだと推定されている。にもかかわらず、COPDと診断されている患者は約20万人に過ぎない。罹患者の96%が放置されているこの現状を、日赤医療センター・呼吸器内科の生島壮一郎氏は大問題だと指摘する。

「COPDの症状は息切れや咳、痰ですが、緩やかに進行するのでなかなか気づけません。年のせいだとしか思わない人も多く、極めて自覚しづらい病気と言えます。発覚するのは、たいてい重症になって肺炎やインフルエンザを併発し、息切れがひどくなってから。すでに肺組織がボロボロになってしまい、呼吸機能の回復が難しい状態だという例が非常に多いのです」

 さらに難しいのは、肺炎や肺がんなどと違い、COPDにはレントゲンに写る病態がないことだ。医師ですらCOPDに気づかず、合併した肺炎だけを治療して患者を帰してしまうことがあるという。だからこそ、「まずは認知してもらうことが大切」と生島氏は力説する。

 では、COPDを見逃さないために私たちができることはなんだろうか?

「私はいつも患者さんに『地下鉄の駅ではいつもエスカレーターを使いますか?』『階段を上ると苦しくなるので避けてしまいますか?』と質問します。年配の喫煙者で、どちらもイエスと答えた人は疑いありと考えますね」(生島氏)

 COPDになると息が苦しいので、知らず知らずのうちに階段を使わなくなるのだとか。つまり、「以前にくらべて歩かなくなった」「ちょっと動くだけで息切れがする」という人は要注意だと言えよう。加えて40歳以上で喫煙歴が長いというのも危険因子である。

週刊朝日  2013年11月1日号


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