アラフォー女性記者が1泊2日お遍路ツアーを体験 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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アラフォー女性記者が1泊2日お遍路ツアーを体験

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週刊朝日#女子

 いつかは四国遍路、と願っていても、現役時代は時間がなく、定年後はお金がないと、簡単にあきらめてはいないだろうか。そんな人たちにぴったりの企画がある。1泊2日の「歩き遍路ツアー」だ。2014年の八十八カ所霊場御開創1200年を前に、バツイチ独身アラフォーの女性ライターが体当たりで取材した。

 初日は午前11時過ぎに、愛媛県の44番札所「大宝寺」を出発した。45番「岩屋寺」を目指す10キロ弱の行程だ。距離は比較的短いものの、山を越えるという。スタートした直後、いきなり未舗装の道に面食らった。でもツアー客は慣れたもので、足元に気をとられる私に珍しい花の名前を教えてくれる。おしゃべりしても息が上がらず、足取りは軽い。

 最初の山を越え、かつて宿場町として栄えた集落へ入り、小1時間のランチタイムの後、再び歩き出す。数日前の大雨の影響で滑りやすく、道が半分ほど崩落している部分もある。

 しばらくすると、難所で知られる「八丁坂」に入った。勾配のきついつづら折りの上り道を、一列になって進む。脚力の差で、隊列の長さはだんだん伸びていく。すると、遅れがちな人に、それとなく付き添ったり、「この先は尾根伝いだから、あなたの得意分野だよ」と励ましたりする人が現れた。仲間意識に基づく、さりげない配慮だ。

 坂を上り切ると、今度は急な下り坂が待っていた。転ばぬよう、太ももに力を入れて慎重に下りていく。ふと、「こんなところを下って来たんだ!」と誰かが声を張り上げた。振り返ると、高さ数十メートルもありそうな巨大な岩がそびえている。その外周に沿って歩いたことを知り、スケールに圧倒された。

 不動明王を祀(まつ)ったお社、岩と岩の間を鉄の鎖やはしごを使って上る修行場などを通り過ぎると、山門が現れた。この日のゴールの45番「岩屋寺」だ。岩に寄り添うように本堂が建てられ、その隣には弘法大師を祀った立派な大師堂があった。

 いよいよ参拝する。水屋で口をすすぎ、手を洗い、数珠を手にし、気持ちを整える。その後、納札に名前や住所、日付、願い事を記入し、本堂に納めた。灯明と線香に火をつけ、賽銭をあげ、全員で読経する。納経帳は、事前に添乗員が集め、まとめてご朱印をもらう仕組みだ。代金300円。本尊を表す梵字と本尊の名前、寺院の名前が墨書きされ、その上に札所の番号などが印される。

 こうして、初めての参拝を無事に済ませた後、ふと、同世代の女友達の言葉を思い出した。

《札所で仏様と向き合い、心の内の声を聞いてもらっているのが、自分を省みる機会になった。仏様に恥ずかしくないように生きようと思えたの》

 彼女は約10年前、当時の夫と別居中にテレビでお遍路を知り、四国へ旅立った。基本的には電車やバスを使い、公共交通機関がないところだけを歩いて、5日間巡拝した。そのなかで仏と対話し、迷いごとでいっぱいだった頭の中が整理され、物事を決められるようになったのだという。結果、離婚した。

 その後、四国八十八カ所を4巡して「先達」の資格を取り、さらに知識を深めようと通った仏教系の勉強会で僧侶の男性と出会って、再婚した。現在第1子を妊娠している。

週刊朝日 2013年10月11日号


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