
久々にやってきた「倍返し」のない日曜の夜。あの爽快感を懐かしく思った人も多いことだろう。
9月22日放送の最終回の平均視聴率が、平成以降の民放ドラマで最高となる42.2%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)を記録した「半沢直樹」(TBS系)。終了から1週間以上たっても、あちこちで「半沢談議」が繰り広げられている。本誌がキャッチした裏話を、いくつか紹介したい。
最終回、主人公の半沢直樹(堺雅人)と大和田常務(香川照之)の応酬が繰り広げられた取締役会の場面。制作スタッフの一人が、撮影時の様子をこう語る。
「あの場面は、午前4時半からの撮影だったんです。堺さんや香川さん、頭取役の北大路欣也さんも、朝早いのをものともせず、台本で30ページにもわたるシーンをものすごい迫力で演じられていましたね」
取締役会では、半沢や大和田を取り囲む大勢の役員陣も、重厚な雰囲気を醸し出していた。さぞかしベテランの俳優で固められていたのかと思いきや、「もちろん役者さんもいますが、エキストラも使っていました」(同)とのこと。
半沢の父(笑福亭鶴瓶)の自殺に大和田が絡んでいるという設定は物語の重要な要素だが、池井戸潤氏の原作にはなかった。一部報道では堺のアイデアとも報じられたが、違うようだ。
「堺さんは話の内容をこうしてくれということは一切言いませんよ。別の関係者の方のアイデアで、父は自殺し、大和田常務を『敵役』にすると決めたようです。結果として、非常に印象的なシーンになりました」(別の制作スタッフ)
息詰まる展開が続く中、視聴者を癒やしたのは半沢の妻・花(上戸彩)だった。ところで撮影現場では、もうひとつの「内助の功」が見られたという。芸能関係者が語る。
「堺さんの現場への気遣いがとても素晴らしいと評判でした。節目節目に差し入れをしてくださったり。そこには新妻の菅野美穂さんの助言があったようで、こちらも奥さまの力が大きかったのかなと思います」
さて、半沢ファンにとっての関心はなんといっても続編。映画化という話も早々と浮かんでいるが、「続編をつくるかどうかも含めて、まったく白紙の状態」(TBS関係者)という。ファンの大きな期待に対しても、ぜひ「倍返し」でお願いします!
※週刊朝日 2013年10月11日号