東京五輪の開催決定によりマンション資産価値の高騰が期待される湾岸エリア。しかし、住宅評論家の櫻井幸雄氏は、「招致決定で湾岸エリアが注目を集める今だからこそ、他のエリアにも注目すべきだ」と助言する。

「不動産投資では、注目が集まる地域とは異なるエリアに目を向ける“逆張り視点”も重要です」(櫻井氏)

 突発的なイベントによって急激に人気を高めたエリアでは、相場よりも1割程度高く価格を設定されるケースもあるという。

「勝どきや有明に世間の注目が集まる今だからこそ、国立競技場周辺のマンションが買い時ともいえるのです」

 国立競技場は全面改修され、オリンピックスタジアムに生まれ変わる。そこからほど近い新宿区の「Tomihisa Cross」は55階建てのタワーマンションで、渋谷、池袋、六本木まで最寄り駅から10分以内という好立地物件だ。周辺では交通インフラ整備が進んでいて、主要幹線道路である環状3号線(外苑東通り)の車線を増やす拡幅工事が進行中で、今後、さらに便利になりそうだ。このマンションに注目する櫻井氏が言う。

「生活環境についても申し分ない。マンション下にイトーヨーカドーなどの商業・生活利便施設があって、屋根つきの通路で買い物に行ける。物価の高い山手線内の地域で大型スーパーが間近にある物件は珍しい」

 このほかのエリアでも、東京五輪が決まったことで、もともと五輪とは関係なく計画されていたインフラの整備が加速する可能性もある。そうした地域も将来的に資産価値を上げる注目エリアとなる。

週刊朝日  2013年9月27日号