銀座まで徒歩圏内で、東京湾の眺望を楽しめる好立地。不動産業界から注目を集める選手村(想像図)には、計24棟の住居棟が建設される (c)朝日新聞社 @@写禁
銀座まで徒歩圏内で、東京湾の眺望を楽しめる好立地。不動産業界から注目を集める選手村(想像図)には、計24棟の住居棟が建設される (c)朝日新聞社 @@写禁

 2020年の東京五輪開催が決まり、熱い視線が注がれ始めた不動産業界。五輪特需の恩恵を最も受け、資産価値を上げる可能性が高いのは、やはり湾岸エリアの中央区の勝どき駅周辺のマンションだと住宅評論家の櫻井幸雄氏はいう。

「都営大江戸線の勝どき駅は約1万7千人の選手を迎え入れる選手村の最寄り駅です。周辺の地域の交通インフラが続々と整備されつつあるので、五輪を契機に資産価値を上げる『五輪マンション』が多いエリアになっています」(櫻井氏)

 現在、湾岸エリアと都心部をつなぐ道路は首都高の台場線や深川線、一般道では晴海通りなどと限られている。五輪開催時には大混雑を招く恐れがあり、緩和するための起爆剤として、東京都は環状2号線の延長工事を進めている

「港区虎ノ門から江東区有明までの区間を通る道路です。14年春には虎ノ門―新橋間が開通し、15年度までに残りの区間が完成予定です。完成すると港区の汐留と勝どきを結ぶ新たな橋が誕生することになります」(同)

 そのほかにも、15年度に竣工する予定で、首都高速晴海線が豊洲出入口から晴海出入口まで延伸する計画が進められている。勝どき駅周辺の交通インフラは今後数年で格段に向上しそうなのだ。

 さらに生活環境も一変しそうだ。選手村は五輪終了後に最大約4千戸を誇る超大型マンション群に生まれ変わる。

「中央区の人口は約13万人で、五輪後は旧選手村の居住者だけでも人口が約1割増える計算になる。そうなると、商業施設や教育環境などが整備され、周辺地域の生活環境が著しく発展する可能性が高い」(大和証券の木野内栄治チーフテクニカルアナリスト)

週刊朝日 2013年9月27日号