東京・湾岸地区のタワーマンション (c)朝日新聞社 @@写禁
東京・湾岸地区のタワーマンション (c)朝日新聞社 @@写禁

 来年4月に予定されている消費増税に備え、住宅購入やリフォームなどの「駆け込み」を検討している人が増えている。重要なのは、自分がトラブルの「被害者」にならないようにすることだ。そのためには、工事の契約を結ぶ前から気を抜けない。国民生活センターの担当者はこう話す。

「見積書に『○○工事一式』などと書くだけで、具体的な工事内容や金額を明記しない業者には、注意が必要です」。トラブルになっても、工務店側に言い逃れをされてしまう。

「“業者お抱え”の建築士には注意が必要だ」と指摘するのは柴和彦1級建築士だ。「建築士と言っても、住宅メーカーなどの社員もいます。立場上、購入者と施工業者にトラブルが発生すれば、業者側に立ちかねません。業者と利害関係がない建築士に設計・工事監理を依頼するほうがいいでしょう」。

 もちろん「社員建築士」がすべて問題というわけではない。だが、いざというときに購入者の味方になってくれる保証はないのだ。続いて、建設中にすべきこと。住宅問題に詳しいNPO「建築Gメンの会」のメンバーで1級建築士の大川照夫氏が提案する。

「購入者が欠陥住宅を見破るのは不可能です。工事の節目に、第三者の建築士にきちんと検査を依頼したほうがいいでしょう」

 基礎工事が終わった段階や、柱や梁など建物の骨組みを組んだ段階などでは、問題が見つかっても修復が可能だ。むろん検査費用はかかるが、完成後に欠陥を直す手間と費用を考えれば、有力な選択肢だろう。

週刊朝日  2013年9月13日号