各地で記録的な暑さを観測した今年の夏。「足がつった」「鼓動が激しくなった」などセックス中に体調不良を感じた人もいたようだ。エアコンは普及したが、暑いと感じる温度には男女差がある。冷房の設定温度などで意見が合わず、体調を崩す場合も…。

 シニアの健康に詳しい南越谷健身会クリニックの周東寛院長は、「猛暑では脱水症状によるカリウム不足などで足がつる場合があります。運動不足も危険です。軽くでいいので、ふだんから体を動かしておくべきです」という。

「お酒を飲みすぎてするのはNGです。アルコールで脱水してしまうのです」

 いつでも飲めるよう、枕元に飲み物を置くことも勧める。ただし、スポーツドリンクをがぶ飲みすることは、糖尿病を悪化させる可能性があり要注意だという。

 そもそも性行為は体への負担が大きい。性の問題に詳しい日本家族計画協会クリニック所長の北村邦夫医師によると、男性は勃起時に過呼吸と心拍数の増加が見られ、射精時は呼吸数が1分間に40回、心拍数は1分間に110~180回にもなるという。血圧も上昇する。

「まさに100メートルをダッシュするほどの負担です。とくに生活習慣病を患っている人は、セックスが体に及ぼす影響を軽く考えてはいけません」(北村医師)

 周東院長は、熟年は一戦交える前に栄養補給することを勧めている。

「精液はたんぱく質やミネラル、ビタミンでできている。つまり性行為をするということは、栄養素が流出するということ。当然疲労し免疫力も下がります」

 にんにくやプロポリス、朝鮮ニンジンなどの栄養剤でスタミナをつけるとよいそうだ。

「夏に限らず冬もそうですが、温度変化が極端な中での行為は体の酵素が消費されます。野菜のフレッシュジュースや肉類で酵素も補いましょう」(周東院長)

週刊朝日  2013年9月13日号