喘息と関係している? 新型の“副鼻腔炎”とは 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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喘息と関係している? 新型の“副鼻腔炎”とは

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週刊朝日#病気

 鼻水や鼻づまりが起きる慢性副鼻腔炎。だが、感染性の慢性副鼻腔炎と異なる「好酸球性副鼻腔炎」という病気がある。どのような病気なのか。日本鼻科学会常任理事で獨協医科大学病院耳鼻咽喉・頭顎部外科教授の春名眞一医師に話を聞いた。

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 2000年あたりから、マクロライド療法(マクロライド系と呼ばれる抗菌薬を服用する治療法)で効果が上がらず、なおかつ手術をしても改善しない慢性副鼻腔炎の症例が報告されるようになりました。この症例の鼻の粘膜を調べると、好酸球という白血球の一種が多く存在することが明らかになり、従来の副鼻腔炎と異なったタイプであることがわかってきました。その後、01年に「好酸球性副鼻腔炎」と名づけられました。

 好酸球性副鼻腔炎は従来のタイプのように細菌やウイルスに感染して起こるものではなく、なんらかの原因で副鼻腔の粘膜で好酸球が増え、炎症を起こします。これは、喘息で引き起こされる気管支の病変とよく似ています。実際に喘息患者さんが好酸球性副鼻腔炎を併発する症例が多く見られ、とくに成人発症型喘息との強いかかわりが指摘されています。治療によってこの副鼻腔炎が改善されると、喘息の症状も軽減されるという報告も多く、逆に喘息の状態も悪いと、副鼻腔炎も悪化してきます。

 好酸球性副鼻腔炎の患者数はまだ把握されていませんが、厚生労働省は3万5千人から5万人と推計しています。しかし、従来型の副鼻腔炎の治療を効果がないまま続けている症例の中に、このタイプのものが潜んでいる可能性は高いといわれています。同様に、成人発症型喘息の患者さんの中にも、潜在患者がかなりいることが予測されます。

 現在、同省が中心になって診断基準の作成を急ぐと共に、標準治療の確立に取り組んでいます。同時に耳鼻科医や喘息を専門に診る呼吸器科医への啓発に努めています。

 従来型と好酸球性では使う薬が異なります。手術の方法は同じですが、せっかく手術をしても薬の処方が違うために効果が上がらないこともあります。

 マクロライド療法を3カ月以上続けているのに効果がない場合には、好酸球性のものを疑い、大学病院などの総合病院で一度診断を受けることをおすすめします。まず慢性副鼻腔炎がどのタイプなのか、きちんと診断をつけることが治療の第一歩です。

週刊朝日  2013年8月30日号


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