がん診療とともに、養生にも造詣が深い名医・帯津良一先生(77)と養生の達人たちとの問答、今回のお相手は、歌手で女優の五月みどりさん(73)です。帯津先生は一目会ったときから、五月さんが醸し出す熟女の色気にノックダウン。「これまでの対談で、いちばん嬉しそうな顔ですね」と言われながら、終始笑顔で会話がはずみました。実家は精肉店だったという五月さんの健康法とは?

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五月:牛が大好きでステーキでもすき焼きでも牛の入っているものはみんな好きだったんです。ところが、お医者さんの集まりがあって、そこで話を聞いていたら、牛の脂は固まっちゃうんで、どうしても動脈硬化になるって。私、肉を見て育ったから、すごく脂が固まるっていうのを知っていたので、ああそうかって肉を食べるのやめました。でも今の牛肉はそんなこともないでしょうけど。私がおもしろいのは、やめるって言ったら、ピタッとやめるんですよ。肉をやめたのが40歳前。お酒は50歳のときにやめたんです。

帯津:お酒、やめたんですか。昔の本にはだいぶお強いと書いてある。

五月:もうのんべえでね。そんなに強くはないんです。でも酔っ払うのが好きなんです。酔うと100%くらい人がころっと変わって、着ている服を脱ぎたくなるんです。若いときはずいぶんと喜ばれました。いつもと違うもう一人の自分が出てくるので、毎回、天国に行っているようなお酒でした。ところが、あるとき、お酒を飲みすぎて、不整脈がひどくなっていて、夜中に意識が遠のいて、救急車を呼ぶことになった。それから、こんなことしていたらダメだと、大好きだった楽しいお酒をやめました。

帯津:すっぱりやめたんですか。

五月:すっぱりやめないと私ダメなんです。

週刊朝日  2013年8月30日号