桑田佳祐が「励まされる」ベテラン歌手の存在 (2/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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桑田佳祐が「励まされる」ベテラン歌手の存在

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 筆者はその1カ月後、桑田の新作ソロ・アルバム「MUSICMAN」に際した取材を行ったが、まだ少々やつれた面持ちながら、50代半ばの社会人なら誰でも感じる不安、寂しさ、憤り、命の尊さ、いとおしさなどを作品に込めたことを包み隠さずに語ってくれたのを、今でも覚えている。

 一方で、今でもCDを買ったり、映画館に足を運んだりするとリラックスした表情で話す様子は、青山学院大学の音楽サークルでバンドを結成した頃のような無邪気で熱い音楽ファンそのものだった。

 敬愛するエリック・クラプトンやポール・マッカートニー、ローリング・ストーンズといった、今も元気に活動するベテランの名前をあげて「励まされる」とうれしそうに話し、矢沢永吉や山下達郎ら日本の“同志”についても「彼らも元気だからなあ(笑)」と話し、確実に勇気づけられていることを独特のおちゃめな表現で伝えてくれた。

 その横顔には、78年のデビューから“音楽シーンという社会”のトップランナーとして走り続け、がんという大病と闘うことで初めて自らの死と向き合った男の優しさと穏やかさ、それと、ちょっとした弱音も見え隠れしていた。

週刊朝日  2013年7月12日号


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